第780話 ナウエリスへの帝国増援軍
「ジェロ様、これは!」
「うん、すごい数だね。インラントに来ていたのが1万人ならこれは3万人くらいなのかな」
ナウエリスの街から南、ムスターデ帝国との国境もある街道の上空を飛んでいると、北上して来る軍勢を見つける。まだ今は帝国領内ではあるが、すぐに国境を越えて来る距離にある。
「じゃあ、また兵糧を燃やんだろう?さっさとやってしまおうか」
「ネベルソン、ちょっと待って。今回は燃やすのはやめようかと。もったいないから」
「そうですね。ジェロ様のおっしゃる通り。今はミュンヒ地方からの避難民に食料を配りたいですし」
「そうなんだよ。魔物の肉だけでなく、穀物なども荷馬車には積まれていると思うし。みんなの魔法の袋も取り出してみて。どのくらい空き容量があるかな」
荷馬車をそのまま収納できるほど大きい魔法の収納袋を持っているのは、狩りに行かせていたリバイモンとハポリエル、そしてジェロ自身だけだったが、それ以外の袋でもある程度の量は収納ができる。
「じゃあ、姿を消せる悪魔達にその魔法の袋を預けて、荷馬車そのものやそれに積まれている物資を盗んで来て貰えるかな」
「そんなせこいことをしないでも、強力な魔法でやっつければ良いだろう?」
「ネベルソン!あんたはまだそんな考えで。できるだけ殺さないで敵を減らすことを考えるの!」
リスチーヌに怒られてばかりのネベルソン。ミュンヒ地方での、ダメ男を養う女冒険者の演技がいまだに続いているようである。
ハポリエルはそのようなことも嫌な顔をせずに進んでやってくれそうだが、リバイモンは不満そうである。
「分かったよ。じゃあ、盗みに行く班と、陽動のための攻撃の班に分かれよう。リバイモンやネベルソンは軍勢の前の方に大規模攻撃をしてね。昼も夜も。で、盗みには夜に行こう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます