第736話 魔人サグリバス2
「まさかお前の先祖って悪魔フェニルスか?」
「よく知っているな。まぁ一部では有名らしいけれど」
サグリバスの先祖が探していた悪魔フェニルスとわかり、色々と質問したいことが湧き出てくるジェロ。
「じゃあ、魔法カードを開発した転生してきた男とフェニルスの子孫ってことか?」
「そう聞いているが、どうしたんだ?」
「魔法カードの開発に関わる情報は何かないのか?」
「いや、知らんぞ。実家に帰って探せば何か出てくるのかもしれないが」
「お前の実家は近くなのか?」
「いや、かなり遠いぞ。滅多に帰らないし」
「じゃあ、悪魔フェニルスに連絡する方法はないのか?」
「ん?こっちからは無いな。ごくまれに連絡してくることはあるが」
「使えないな、お前」
「何なんだよ、さっきから」
『大した情報はなかったわね』
『フェニルスから連絡があったときには、すぐに教えるように念押ししておくぐらいかな。落ち着いたらこいつの実家にも行ってみたいな』
ジェロ個人としては悪魔フェニルスや魔法カードの開発の方に興味があるのだが、関わった人たちのことを考えると、ラーフェン王国からムスターデ帝国軍を追い出すことの方が優先である。
そのためにも、仲間になったディートマルたちの出身であるミュンヒ地方を、可能であればムスターデ帝国から独立・解放する作戦に注力する必要がある。
ただ、まずはインスタンに向かっている帝国の増援部隊である。
「サグリバスがこちら側になったのだから、増援部隊の荷馬車などを燃やすのは簡単だよね」
「はい、弓兵による反撃はありますが、矢が届かないほど上空からなら問題ありません」
コンスタンと合流したあとは、人的被害を出すのは苦手なジェロが引き続き荷馬車だけを狙う。
「これで、兵糧不足のままインスタンに向かうか、帝国領内に戻るか。インスタン側はしばらく安全だろう」
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