第734話 帝国の増援部隊3

 ある程度の荷馬車を焼き払った仲間たちと、拘束したサグリバスを連れて、帝国軍から距離を取った場所で地上に降りる。

「さて、あの帝国軍の戦力について教えて貰おうか。まずお前以外に魔人はいるのか?」

「くそ。あぁ分かったよ。言うよ、言うよ。あぁ、俺以外に魔人はいなかったはずだ。魔法使いすら、な」

「ん?それはなんでだ?」

「俺も聞いただけだが、援軍を率いる奴は真面目すぎて軍の中では嫌われているらしい。で、人数だけは与えられたが魔法使いは許可されなかったらしくて。でも、流石にそれではと言われて、俺が同行するように指示された」

「まぁ魔人が一人いれば魔法使いが他にいなくても大丈夫、とも言えるよな」

「そうだろう?って、圧勝したお前に言われたく無いがな」

「で、援軍の全体人数はどれくらいだ?」

「え?知らないよ、そんなこと。大体一万人ぐらいじゃないのか?」

「お前、使えないな」

「え、あ、待て。そうだ、その指揮官の名前はウード・ゲルスタッカーとか言った」

「で?」

「え?」

「それだけか?」

「あー、殺さないでくれ!」

 散々脅かすことでサグリバスの逆らう気力を無くさせておき、縛ったまま転がしておく。


「で、この後はどうします?」

「うーん、コンスタンとアルマティはこの増援部隊を見張っておいてくれる?俺はあいつを連れてインスタンの街に一度戻ろうかと。戦争奴隷の処理もしておいた方が良いだろうし」

「敵を連れて行くならばなおさらアルマティも連れて行ってください。私はルッツがいればなんとでもなりますし」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る