第712話 エアライツ情報
インラントでのこともあり同行していた奴隷商人が、さらって来た男を戦争奴隷にする処理を行う。
「まず名前を。そしてこの街の司令官についても教えて貰おう」
「俺はアーロイス・モルダウ。生粋の帝国軍人である。それを……この街の司令官は平民上がりのリアムだ」
「ふむ。ここの帝国軍の戦力は?」
「インラントほどの拠点ではないから、約1,000人ほどだ」
「お前のような目付の人数は?」
「10人だ。俺を除くと9人だ。えらく戦争奴隷にする手際が良かったが、帝国本国に連絡をすれば俺の身代金なんて実家が用意してくれるはずだ。早く連絡を取ってくれ」
「なんか敵で良かったと思う人物ですね。情報を聞けた後は、早く身代金と交換したいような」
「コンスタン、同感だよ。でもきっともっと情報を入手してからになるんだろうね」
ジェロ主従の想像の通り、ラーフェン王国としては今のうちにわかる情報を入手したいようで、帝国本国側の色々と質問していくようである。正直ジェロたちには興味ないことであり、残った9人の目付をさらって来ることの方が重要である。
「ジェロ様、この街では目付をすべてさらっても街の解放につながるか疑問ですね」
「マドロール、確かにそんな感じだね。でも、指揮系統が弱くなれば占領軍が弱体化するだろうから、継続はしようか」
腕章をつけた者をハポリエルが昼間のうちに探しておき夜にさらっていた。しかし、相手も気がついたようで、3人さらったところでそれ以上は難しくなる。
「1人行動をしないどころか必ず数人で行動しているようです」
「これは司令官が優秀なのかもね」
夜間行動で疲れたので朝遅くまで寝ているジェロたちを起こす声がする。
「テルガニ伯爵、急ぎルネリエル王弟殿下のもとへ!」
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