第680話 ルグミーヌ王国軍と合流3

「あなた、一緒に囚われていた……」

「はい、アルマティと申します。今はテルガニ家でお世話になっております」

「あら、話せたのね」

「はい、吸血鬼から解放された後、お陰様で話せるようになりました」

「そう、良かったわ。でもコンスタン様と親しくしすぎてはダメよ」

「はい」

 国同士の打合せが終わった後、メンヒルト王女がコンスタンと話すためにジェロたちの陣営のところにやってきている。

 以前に国を救って貰った際の付き合いということでの強引な王女の行動に、トリアウエ騎士団長たち少数が付き添っている。


「コンスタン様、こちらのワイバーンが従魔の?」

「はい、そうです」

 メンヒルトの想いもあるが、何かと情勢に関わるテルガニ家の情報収集をルグミーヌ王国は行っているようである。そのため、ジェロが侯爵に陞爵したこともトリアウエは認識していた。

「コンスタン様、一緒に乗らせていただけないかしら」

「いえ、それは……」

「では、コンスタン様がお一人でも乗って飛ばれているのを拝見できないでしょうか」

「それでしたら」

 コンスタンがルッツに乗って空を飛んでいるのを見上げているメンヒルト王女。


 それを少し離れたところで見ているディートマルやグンドルフ達。

「彼女がルグミーヌ王国のメンヒルト王女か」

 その様子に気づいたジェロが2人だけでなく元ミュンヒの貴族である他のヤーコプ、アウレーリウス、カスパーの3人を含めた5人を呼ぶ。


「メンヒルト王女殿下、トリアウエ騎士団長。ご挨拶をさせてください。彼ら、元ミュンヒの王族と貴族になります」

「なんと」

 メンヒルトはあまり認識できなかったようであるが、トリアウエは流石に元々隣国であったミュンヒであるため驚いている。

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