第679話 ルグミーヌ王国軍と合流2

 あらためてラーフェン王国とルグミーヌ王国の合同軍の打合せが行われている。

「ではこの度はエルフによる魔法等は期待できないのですね。残念です」

「申し訳ありません。ルグミーヌ王国としても、前回のエルフの協力を得るのは大変でして。ただ今回はテルガニ家の皆様が参加されているので、逆に前回の西部解放のときよりも安心して参戦できております」

「それで、今回は魔術師団の方はご参加されず騎士団の皆様のご参加になられたと」

「はい」


 ルグミーヌ王国としては、ラーフェン王国の解放が完了した際に、あまりに協力していないことによる仲間はずれは怖いが、ムスターデ帝国にも接しているため過度に帝国を刺激したくもない。そのことによる国王の政治的判断として、最大戦力である魔術師団は参加させないしエルフの参加も要請していないが、王女は引き続き送り込むことで微妙なバランスをとっているつもりである。当然にそれを知っているトリアウエ騎士団長は後ろめたい。

 メンヒルト王女にその辺りの駆け引きはできないので何も教えていないし何も話さないように国王からも念押しされているので、トリアウエが応対している。


 一方、ラーフェン王国のルネリエル王弟としても、自国の解放に際して他国に借りばかりを作ると後で返すのが大変になるが、ある程度の戦力は欲しいのと、連合軍であることに意味があると認識している。魔法戦力に関してはジェロたちが参加していることもあり、逆に今回の協力支援ぐらいの方がありがたいとも思ってしまう。

 互いに微妙なところを含んだ上での笑顔での打合せになっている。


「今回はラーフェン王国としても南部の解放による国土全ての奪還を目指しており、主力は南部をまわってくるモーネ王女の方に割り当てております。ルグミーヌ王国の皆様におかれましては、この南西エリアの解放にご協力いただけますと幸いです。具体的にはこのまま南下したインライトの街の解放ができれば、それより後は、東の方を解放したモーネ王女たちが合流してくるのを待つつもりです」

「承知しました。どうぞよろしくお願いします」

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