第661話 一時帰国3
「ジェロ様、我々はジェロ様の家臣です。力不足なところも多いかもしれませんが。ジェロ様がされたいことをご命令いただけたらそれに向けて頑張ります」
「イド……」
「そうですよ、侯爵閣下はこうするぞ!と命令してください」
「大丈夫ですよ、よほど変なことをされようとしていたら、隣のシスターフロラリーに告げ口して止めて貰いますから」
「ジョジョゼ、それは恥ずかしいから本当にやめて……」
「「「ははは」」」
「マドロールはどう思う?」
「そうですね、ジェロマン様のご意向はいったん置いておいて。このコンヴィル王国やラーフェン王国だけでなくユニオール皇国も含めてジェロマン様の動向は注視されます。おそらくルグミーヌ王国からも。そのなかで今回の王都ルージャンの解放への手助け、ラーフェン王国南部の解放への支援は、ますますジェロマン様を軽視できない、変な扱いをできないという事実を突きつけることになるかと」
「つまり?」
「ジェロマン様を敵にしたくないと思うようになります。抱き込もうという工作活動、スパイの送り込みなどが激しくなるとは思いますが、粗略に扱われることはなおさらなくなるでしょう。ムスターデ帝国にすると暗殺したい相手になりますし、妬まれることも増えるかもしれませんが」
「うーん、面倒が減るけれども違う面倒が増えるんだね」
「今のままでもそれほど変わらないですよね」
「え?そうか、そうだね」
「ところで、私として一つ心配なのが、リブルドーの街の魔物については、ジェロ様たちが山脈の魔物を狩っていたのが原因でないと言い切れますか?被害が帝国軍だけの間は良いのですが、皇国軍などが南下してリブルドーの街も解放するとなれば、ベルカイムやユニオールの将兵、リブルドーの住民に被害が出ないようにしないと」
「確かにレナルマンの懸念は……」
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