第623話 悪魔たちの体格
『ジェロ、前のワイバーンたちのところへ狩りに行く予定はない?』
ガニーの屋敷の自室で、ジェロが一人でくつろいでいるとヴァルが声をかけてくる。
『急にどうした?もちろん行く予定はなかったけれど』
『リバイモンとハポリエルには自由に狩りに行かせているでしょう?前のワイバーンで味をしめたリバイモンがまた狩りたいと言っているのよ』
『我は成長機会を求める』
突然姿を現すリバイモン。彼は人間サイズで出現するので心臓に悪い。
『突然だとびっくりするよ。リバイモンは大きいんだから』
『ん?昔の力のなかったハポリエルならまだしも、普通に人間サイズの方が話しやすくて良いのではないか』
『え?ヴァル?』
『言わなかった?ジェロがずっと契約をしてくれなかったから魔力の節約で小さい姿だったのが普通になっていたわね』
ヴァルはジェロの顔程度の大きさだったのに、急に人間サイズになる。
「え!?」
スタイルも良い美人が目の前に現れて心臓の鼓動が激しくなるジェロ。いつも見慣れた顔ではあるが自分と似たような大きさになると感覚が変わる。
『ほらハポリエルも』
今度はハポリエルまで人間サイズで出現する。彼は元々美男でもなかった顔であるのでその意味では驚かないが、今まで自分の顔程度の大きさで慣れていたのに、人間サイズで3人、背中に翼がある悪魔が目の前に並んでいると圧迫感を感じる。
『なかなか驚いて貰えたみたいね。って、ジェロ顔が赤いわよ』
『いや、近すぎだろう!』
『何を言っているの。いつもはもっと近いじゃない』
『いや、その大きさだと……』
女性に少しは慣れてきたジェロが昔に戻ったようで、発言もゴニョゴニョになってしまう。
『ふーん』
『なんだよ……』
『べ・つ・に……』
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