第616話 開拓発展

「じゃあいったんガニーの街に戻るね」

 魔法による開拓に目処がついたところでジェロはガニーの街に戻ることにする。


「ディートマル、みんなのことお願いね」

 騎兵隊30人にはガニーの街との往復をさせることで、踏み固めた街道っぽい場所を作らせる。同様に、弓兵隊にはラーフェン王国側の廃村との往復をさせて、山脈の中での街道っぽい場所を作らせる。どちらも合間で狩りも行うことで食肉の確保もさせる。

 歩兵隊30人には引き続き開拓拠点の建物などを作らせる。共通業務部隊には、アナトマ達との物資のやり取りと、100人分の調理などを任せることにしている。

 ラーフェン王国が廃村においてくれていた彼らの食糧なども開拓地に残していくため、当分の間は食い繋いでいくことができるはずである。



「メオンさん、お願いがありまして」

「ん?またガニー領主への同行か?」

 仲間たちとガニーの街に戻ったジェロは冒険者ギルドに顔を出している。

「あ、はい、それもあるのですが、開拓地に出張所を作って貰うこと、具体的に考えて頂けたらと思いまして」

「お、もう拠点が出来て来たのか?ならば直ぐに対応することにしよう。まだ冒険者が来ないだろうが、準備は色々とありそうだからな」


「リスチュー!え!?」

 メオンが出張所への派遣者として呼んだのはリスチューであった。

「ジェロが孤児院で読み書き計算を教えたらしいが、なかなか頼りになるぞ。彼ならば新規の出張所の立ち上げもこなしてくれるだろう」

「ジェロ兄、頑張るからよろしくね」

「あぁ、こちらこそよろしく!」

 まずは戦争奴隷100人を冒険者登録することからお願いする旨を伝えておく。

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