第614話 拠点開拓2

 戦争とは関係なく建物を作るので、後で取り壊すことも考えておらず、しかも自分達の住居になるので歩兵達のやる気は高い。

 それを見たジェロも、敵を倒すわけでもない魔法であり、自分達の拠点ができていく様が楽しくなり、どんどん森を開拓し当初予定の1km四方の平地を作ってしまう。

「ジェロ様、勢いが凄すぎですよ」

「いやぁ、やっているうちに楽しくなってしまって」

「わかりますけれど。ガニーのお屋敷などの時の経験で上達していますしね」

「じゃあ次は道の整備だね」


 東西南北に太い道、細い道それぞれを整地していき、少し傾斜をつけることで道の端の溝に雨水が流れ、さらにそれが集まって東の池の方に流れていくようにする。

「これ良いですね。じゃあ、敷地の東端は堀にして、そこに水が流れ込むようにしましょう」

「じゃあいっそのこと開拓地の周り全部を堀にしてしまおうか。でもそれでは周りとの出入りが大変だな」

「大丈夫ですよ。東西南北のそれぞれの中心部、太い道の端に門と小さな橋をつくれば」

「そうか。ならば魔物がもし来ても良いようにしっかり堀を深く塀を高くしても良いね」


 土魔法が使えるジェロ、アルマティ、リスチーヌ、レナルマン、コンスタンなどが中心になり、道や堀の整備を行っている間に、次々と家が立ち上がっていく。

「ジェロ様の屋敷はどうします?」

「うーん、まだ良いかな。ガニーにも屋敷はあるし。それよりもディートマルたち5人の隊長たちの家を大きめに作ってあげてね」

 全体の南東部500m四方のなかで、北西の250m四方、つまり1km四方の中心の南東部に、その幹部達用の家が用意されていく。きっとジェロや他の家臣達の家も用意される区画になるはずである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る