第582話 魔法カード再挑戦
モージャンでドラゴンなどの素材の売却を終えて、ガニーに戻ったジェロ。
≪刻石≫などにより魔道具制作にも慣れたので、今度こそ、と再び魔法カードの制作に再挑戦する。
『前は、スクロールと違って小さなサイズの魔法陣を描くことに苦労したんだよな』
『解決策はできたの?前に作っていた変な奴?』
『まずは簡単な魔法陣からやってみるよ。米粒に書く練習はできなかったけれど、羽根ペンのペン先を縫い針のような細い金属にすること、それとこれが秘策の顕微鏡』
『変わった形よね』
『そう、台座にカードを固定し、光魔法≪望遠≫の応用で細かいものを見ながら作業できるんだ。これで練習すればきっと!』
ジェロの情熱に理解はできないヴァルが呆れながら見ていることに気づきながら作業に取り掛かる。
『フェニルス……』
『ん?何か言った?』
『昔の知り合いを思い出しただけよ』
『ヴァルを封印した魔法カードを作った転生者と契約したって悪魔?確か魔族を産んだとか』
『な!あぁリバイモンが言っていたわね。よく覚えていたわね』
『魔法カードの開発者っていうのも含めて気になっていたからな。悪魔って人間と子供を産めるのか?』
『そうね、普通の人間と変わらない子供が生まれることもあれば、魔人の先祖になる魔族が生まれることもあるわ。魔族と人間のハーフやその子孫が魔人なのよ』
『その転生者はフェニルスって悪魔と幸せだったんだろうな』
『な!なんで!?』
『ん?子供までできたんだろう?転生しても魔法カードまで開発して、うらやましい。そのフェニルスって悪魔に会えないかな』
『リバイモンも知らないって言っていたしね。まぁ探させてみようかしらね……』
『色々と教えて欲しいことがあるな。会えるのが楽しみだよ』
ヴァルの動揺は、カードに封印されたことを過去の汚点と思っているのかと考えるジェロ。そこの深掘りはやめておく。
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