第518話 王都ジークセンの攻略

トップ会談の後の実務者打合せにおいて、今までに解放してきた街の代官などは、各軍が置いて来た者達がいったんそのままで引き続き行うことになっている。

守備兵についても、北西のドナシアン達が来た方は、もともとラーフェン王国軍であった者達がレジスタンスにもおり、その者達が少しずつ街に残っているので何とかなる。中には、帝国が攻め入る前に、王族の理不尽さから野に降っていた者もおり、逆に頼りになる。しかし、皇国軍が解放して来た街では、衛兵や住民からの義勇軍などに頼っており微妙である。

その辺りのすり合わせは、王都ジークセンなどを解放した後に丁寧にすることになった。



その王都であるが、流石に王都は他の街に比べて大きく、また当然に帝国兵の駐留も多い。今までの街では多くても数百人ほどの帝国兵であったが、王都では一桁多い上に、王城が今は帝国軍の防衛に使用されているのである。

今までのやり方でいっぺんに解放することは難しいため、地区ごとの解放も視野に入れている。もともと王都が防衛のために外壁だけでなく内部にもいくつも壁で区画が仕切られて間に城門がある造りのため、その作戦が採られることになった。


王城エリア、行政施設や貴族の邸宅のエリア、富裕層のエリア、一般住民のエリアなどがその順番に同心円状に分けられているだけでなく、広い一般住民エリアと富裕層エリアは東西南北の方位ごとにも分割されている。

今までの街と同様に、≪飛翔≫によりモーネ王女が住民に語りかけるのと、夜中にこっそりと城壁の中に冒険者達を送り込むこと。また、既に入り込んでいるレジスタンスと連携もすることで、一般エリア4区画のうち2区画までは順調に解放でき、王都の外壁の外で待機していた皇国軍やコンヴィル王国軍が次々と中に侵入し、他区画との間にある城壁および城門付近にて待機している。


しかし残る2区画でも同様にモーネ王女を≪飛翔≫で案内しようとすると、魔法が飛んで来た。

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