第483話 モーネ王女の神輿2
「おぉ、卵にひびが!」
「よし、最後にもう一度魔力を込めてやれ」
皇城でユニオール皇国の幹部が戦争の話をしているとき、ジェロ達主従は皇都ナンテールに調達した拠点で、ワイバーンの卵が孵化するところを見守っていた。
「おぉ!」
コンスタンが日々愛情を持って魔力を込めて来た成果である。山で戦ったワイバーンとは比べ物にならないサイズではあるが、翼や爪もしっかりある小さなワイバーンが誕生した。生まれて直ぐに飛び上がり、コンスタンの面前に顔を見せてくる。
「コンスタン、名前をつけてあげないとな」
「もう考えていた。お前はルッツだ。そうか嬉しいか。ほら肉だぞ」
事前に用意して名前だけでなく角兎のもも肉を与えると早速食べ始める。
「生まれたてなのにすごいな」
盛り上がっている主従のところに皇城の合同使節団からの使者が到着する。
「テルガニ子爵、緊急のご連絡です!」
「そうですか、いよいよユニオール皇国軍と一緒にモーネ王女が出発ですか。承知しました。我々も護衛として一緒に向かいます」
ジェロ達が登城している間に、コンスタンがルッツのための従魔の証を入手しに行くのと、他の家臣達も従軍するための消耗品等の調達など手分けを行う。
「テルガニ子爵、よく来てくれた。さあこちらだ」
コンヴィル王国のムラン伯爵とカルカイム子爵がまずは出迎えてくれ、モーネ王女の前に案内される。
「モーネ王女、いよいよご出発とか」
「はい、それが……」
王女にしてみると待ちに待った話のはずなのに感触が良くない。
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