第481話 再びニースコン近郊(+簡易地図)

そして、ギャストル第3王子という人質のために無血開城させられてムスターデ帝国が支配している、コンヴィル王国の国境の街であったニースコン。

「ゲッツェ少将、兵糧が搬入されて来ました」

「ようやく来たか。そろそろ不安になったところだ」

「文句を言うならば搬入もしないぞ」

「お前は」

モーネ王女の奪還の際にジェロに大怪我させた魔人アラトラスである。

「ベルカイム王国の方に行ったのではなかったのか?」

「ふん!」

「そうか、あっちもつまらなかったのか。お前を楽しませる奴なんてそうそういないだろうに」

「ガニーの英雄とやらはこっちにも来ていないようだな」

「あぁ、こっちはフェリック王太子が遊び相手なだけだな。それも今は大人しくなっているがな。帝国としてはコンヴィル王国への橋頭堡をギャストルというバカ王子のおかげではからずも入手できたから、しばらくは維持するだけで十分だ。お前たちが早くベルカイム王国を落としてくれたら、そのあとはコンヴィル王国。その時に来ればガニーの英雄も出てくるかもしれないぞ」

「どこもつまらん」

「そういうな、大国ムスターデ帝国は勝利が義務付けられているからな。戦いたいならば、ユニオール皇国との国境に近いところ、ベルカイム王国の侵攻あたりに戻るのだな」

「あぁ、運送屋の仕事も終わったしそうするさ」



その近くのレジスタンス拠点。

「ドナシアン様、やっぱりラーフェン王国内の帝国軍は手薄になっているようですね。村々までは手がまわっていないようで、かなりこちらの手をまわすことができています」

「よし、このまま主街道の街を除いた村々を拠点にしていき、機会が来たら一気にひっくり返すぞ」

「は!」


〜〜〜〜〜

大雑把な位置関係:

<コンヴィル王国>      ‖    <ベルカイム王国> 

       サンレーヌ−−−‖−−王都ルージャン−−−ランソンヌ

王都ミューコン  |     ‖  |           \

   |    /         |           ===

   |  /           |       ‖     \

   モージャン−−−ガニー   リブルドー−−−−‖−−−−皇都ナンテール

   |              |       ‖  <ユニオール皇国>

  ニースコン         ローニャック

   |              |

  ===            ===

   |              |

 ゲンベラン−−−−−−−−−王都ジークセン

<ラーフェン王国>






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