第466話 皇城での外交使節団3
2日ほど待たされはしたが、謁見の広間での流れのように、ユニオール皇国が国境付近に対して増兵してムスターデ帝国に警告することが決定されたとの連絡が届く。
「ひとまず大きな前進ですね。早速、ベルカイム王国に戻り、そちらにも同様の判断を仰ぐようもう一押しすることにしましょう!」
ムラン伯爵がモーネ王女に促す。
「そうですね、まずできることを一つ一つですものね」
モーネ王女も少し落ち着いて考えられるようになったのか、早速に出立の準備に気持ちを切り替える。
皇都を出る際にも再びのパレードになること、関係者との面会も可能なところで切り上げることなど王族が他国に来ているために考えることは色々とある。
ジェロは邸宅を購入しているので、魔法の袋に入れて持ち運ぶべき家具以外を含めた処分などを考えることになる。同好のギルド職員に教わった魔法カードの専門店には追加入荷がないかを確認するために再び足を運ばないと、というニヤつきながらの思考もある。
ヒルデリンは小さい体であることもあり、移動が続くことで疲れること、また馬車という狭いところで長時間我慢することになることなど、本人としては正直あまり嬉しくはないが、皆が喜んでいる顔を見ると、目の前にいるユゲット達に嫌な顔を見せることもできない。
ジェロ達は早速、城を出て邸宅の処分、薬草などの追加調達、そして魔法カードの店に足を運んだ後に城に戻ると驚愕の事実を告げられる。
「テルガニ子爵、大変なことになった。ベルカイム王国の南部、ラーフェン王国との国境からムスターデ帝国が攻め入ったらしい。狼煙による速報がこの城に届き、我々にも共有されてきたのだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます