第462話 皇都での外交使節団2

ムラン伯爵、カルカイム子爵の意向で、ジェロ達はその場で外交使節団への合流を求められた。魔法の収納袋には自身の馬車も正装も入れてあるので、その選択肢にも対応できる。

「テルガニ子爵は再びラーフェン王国のモーネ王女、ヒルデリン王子の護衛という立場に戻って頂きたく。もちろん騎士団達も承知のことである」

「かしこまりました」


「テルガニ子爵、お久しぶりです。お会いできて嬉しゅうございます」

相変わらずユゲット達が絡んでくるが、ないがしろにもできないため適当にかわすことになる。


ジェロ達の馬車、騎馬も合流して規模が少し増えた合同外交使節団は皇都の巨大な城門を通り、多くの人々が両脇に立ち並ぶメインストリートを皇城まで進む。

『もう何度もこんなパレードを経験して、少しは慣れたのかしら』

『いや、何度やっても慣れるものじゃないよ。まぁ皆はモーネ王女達を見ていると割り切れば楽になることを覚えたけれど』

御者や騎乗している家臣達も同様のようで、従来の都市よりも住民の多い皇都ならではの、長くて観客も多いことにますます緊張をしているようであった。


一般街を抜け、貴族街も抜け、皇城に辿り着くのにかなりの時間がかかったが、大きなトラブルもなく無事に城の敷地内に進むことができた。

今日のところは与えられた建物でくつろぐ様に案内され、そこで夕食となる。貴族の誰かが接触を図ってくるかとも思われたが、誰からの来訪もなく、本当にくつろぐことを優先させられたようである。


事前の連絡もあったからか、翌朝から謁見の広間に案内されることになっている。もちろん広間にまで入れるのは、従来通りコンヴィル王国からはムラン伯爵、カルカイム子爵、ラーフェン王国からはモーネ王女、ヒルデリン王子、そしてなぜかのジェロである。

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