第457話 その頃のレナルマンたち

ワイバーンの討伐部位を皇太子達に渡した後、皇都で邸宅を確保し買物に勤しむジェロ達。

一方、山脈越えの時に襲撃してきた者達を捕虜にして、ベルカイム王国の宰相ドゥネーヴに引き渡したレナルマン達。


ベルカイム王国の騎士団による奪還作戦を一度は撃退した後は、政争に巻き込まれることを回避するため、捕虜3人を宰相に完全に引き渡して、王都ルージャンから逃げ出していた。

アルマティの魔法能力など、戦闘力に優れるテルガニ子爵家の家臣団に対して宰相から引き止めようとする話も色々とあったが、レナルマンが上手くかわし、主であるジェロが見知らぬ皇国で困っているだろうから、その主人のところへ急ぎ追いかける、と逃げ出したのである。

「レナルマン、あんなに振り切って大丈夫だったの?」

「なんならジョジョゼとエヴラウルの2人は残っても良かったんだよ。きっと皇国で外交使節が対応した後は、またこのベルカイム王国の王都に戻ってくることになるから」

「うーん、どうだろう。あの宰相、何だかんだといってやっぱり色々と裏がありそうだし、いいように使われてしまいそうで」

「分かっているじゃないか。そう、俺たちも所詮は冒険者。ジェロ様という貴族の家臣にさせて貰っても、まだまだ。あんな海千山千の貴族の群れに巻き込まれない方が、ジェロ様のためなんだよ」


モーネ王女やムラン伯爵達の外交使節団とは別の、やはりランソンヌの街などを経由する道に戻り、皇都ナンテールのジェロ達のところを目指すレナルマン達。

途中で逆走するモーリートとすれ違うことになったはずだが、互いに気づくことはなかった。


そのレナルマン達の動きを、ジェロはハポリエルからヴァル経由で聞いており、早く合流できることを楽しみにしている。

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