第456話 皇都での邸宅2
流れで、ユニオール皇国の皇都ナンテールで家探しをすることになったジェロ。
落ち着いて考えると、たとえ宿屋でないにしても、邸宅は購入ではなく借家でも良いのでは?と思うが、女性2人の勢いに勝てなさそうなので黙っておく。
コンヴィル王国の王都ミューコンでも行ったように、まずは冒険者ギルドに行き斡旋を依頼する。見知らぬ都市で知らない不動産屋にカモにされないためである。
やはり大国ユニオール皇国の首都であり、それだけ巨大なギルド本部なので、斡旋物件も多かった。候補がいくつもあり、とても全部に付き合う気になれないので女性2人に任せたい。かといって女性だけと言うわけにもいかないので、イドにも付き合ってあげて貰い、自身はワイバーンの卵を抱えたコンスタンと2人で留守番と宣言した。
冒険者ギルドの魔法カードを確認したいだけということは家臣たちにもバレており、温かい目で見られる。
ここの魔法カードも、ガニーなどでジェロが作った閲覧用の木枠があるわけではないが、それなりに分類された形で個別の収納用の箱に収められていた。
いくら大国の首都とはいえ古代魔術のカードは置いていないようだが、カリグラフィーや紋様など気に入ったものをたくさん購入する。すると、同好の士、つまりコレクターと思われるギルド職員から、声をかけられる。
「ここって、在庫が微妙でしょう?皇都にはおすすめの店があるんですよ」
「え!?本当ですか!ぜひ」
「ジェロ様、ダメですよ。今は留守番です!」
コンスタンに引き止められるので簡単な地図だけ書いて貰い、また別途向かうことを心に誓う。
ジェロが趣味を楽しんでいる間に、リスチーヌ達は邸宅を決めてくる。先日のサリニャック子爵の別邸よりも大きく、豪商の親子3代が暮らしていた屋敷であるという。確かに馬屋もしっかりあり、母屋と別宅が別れていて便利かもしれないが、ジェロは心の中で贅沢と思ってしまった。もちろん口には出せないが……
ガニーでの拠点、屋敷が出来上がる前に出てきてしまったので、リスチーヌ達にするとジェロ主従の実質の初めての拠点という気持ちもあるようで、次は家具など諸々を、とそれなりに楽しそうなので、任せると割り切ることにした。ジェロは大きめの魔法の収納袋を追加調達し、この皇都を出る時にはその家具を収納して帰国するつもりである。
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