第411話 ニースコン夜襲失敗
ニースコンの城門を内側から開けさせて攻め込もうとしたコンヴィル王国軍。前方が氷魔法で凍らされ、勢いが止まらない後ろからの将兵による将棋倒しも発生している。
「まさかバレていたのか!」
「ははは、何とも滑稽だな。コンヴィル王国の将兵は斯様(かよう)に貧弱なのか」
「何だと!」
「我らがムスターデ帝国の兵士たちを蹂躙してくれたという火魔法使いは居ないのか?わざわざ私が駆け付けて来てやったというのに」
「うるさい!たかが魔法使い風情に負ける騎士団では無いわ!」
「ほぉ、現実を理解できぬ愚か者が。この場で屍を晒すが良いわ」
城門の上に立った帝国の魔法使い、たった2人ではあるが、それぞれ上級魔法使いと王級魔法使いであったようで、≪氷結≫とその範囲攻撃である≪霧氷≫が発動され、動きを止められた王国兵に対して他の帝国兵から弓矢などが射られる。
完全に混乱に陥った王国兵に対して、城門の奥から帝国兵が押し寄せてくる。
「最近の火事による寝不足の恨み、はらさせて貰う!」
「卑怯な王国兵などに負けるか!」
「撤退だ!なりふり構うな。モージャンまで逃げ帰るぞ!」
ある程度は早めに退却判断を司令官ジルダ・ヴァランタンが行ったおかげで壊滅状態は回避できたが、再度同じ兵力で攻めることはできない程度まで完敗してしまった。
「フェリック王太子が援軍、特に魔法使い達を連れて来てくれるのを待つしかないか」
「王国側の魔法使い、実力のある冒険者は今、ラーフェン王国内でレジスタンスとして頑張っていますからね。王太子が連れて来られるのが王国魔術師団だけであれば、どこまで期待して良いのか」
「それでも今回よりはましであろう。願わくは、ガニーの英雄様、テルガニ子爵が帰参してくれるとありがたいのだが」
「使節団のムラン伯爵達を救出した後は、モーネ王女を救出に向かって音沙汰がないですよね。敵国のど真ん中に向かったのですから、はたして……」
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