第403話 王都ミューコンでの状況把握
「あの狼煙は何だ!どういうことだ!」
ニースコン陥落の知らせが狼煙で王都に届くのに時間はかからなかった。
「で、宰相クリスタン、分かったことを整理せよ」
「は。最初の知らせは早馬です。既にご説明しましたように、ベルカイム王国に向かったはずの使節団が何故かラーフェン王国に立ち入り、帝国に捕縛されたと思われます。ギャストル王子殿下、モーネ王女殿下、ムラン伯爵、カルカイム子爵たちいずれも、です。またその前にターフェン王国に攻め入ったオンハルト王太子殿下の生死も不明です」
「あぁ、そこまでは聞いた」
「はい、その後ですが、山を越えてガニーの街にムスターデ帝国が攻め入りましたが撃退。魔人もいたのですが、いったん捕縛。すぐに死亡したようですが。撃退と捕縛をしたのは、使節団のモーネ王女殿下の護衛に命じていたはずのテルガニ子爵でした。これが何故かが判明しました。ギャストル王子殿下が護衛任務を解除して自由行動とさせていたようです。しかも解除の経緯が子爵の女性家臣を王子に差し出さなかったからとのことです……」
「ふざけるな!あ、いや済まない。しかし、ガニーの街のためには幸いだったということか」
「そういう観点もありますが、そもそも使節団をラーフェン王国に立ち入らせたのもギャストル王子殿下の独断で、嫌がるヒルデリン王子殿下をニースコンに残して行ったようです」
「何と……」
「その追加情報のすぐ後に届いた、夜も走った伝馬の情報がこれからです。ニースコン陥落は事実のようです。それも、ムスターデ帝国に捕縛されたギャストル王子を人質に開城させられたようです。交渉であったので、ある程度の住民はモージャンに避難しているようですが、それだけモージャン側は難民で溢れているようです」
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