第374話 囚われのモーネ王女2

「さて、モーネ王女だけこちらに」

「王女殿下!」

「彼女達はどうなるのですか?」

「さてどうしましょうかね」

街道で投降した使節団員達は最寄りの街ゲンベランまで連行されて来た。そこの帝国兵の拠点において、モーネだけ連れて行かれようとしている。

「モーネ王女は王都ジークセンまでご足労頂きましょう。ラーフェン王国の国民達に、ムスターデ帝国の支配下に入り二等国民として大人しくするよう統治に協力して頂くためにね」

「他の皆さんは?」

「外交官の2人など貴族ならば身代金も出して貰えるでしょうが、使用人達はどうですかね?」

「私と一緒に行くわけには?」

「もちろんダメに決まっています。他国の人間を王都に連れて行けませんから、王女殿下のお世話はこちらで用意した者たちにさせます」

「ジークセンに大人しく行くかわりに、彼女達も無事にコンヴィル王国に帰してあげる約束をして頂けませんか?」

「そのような希望が通ると思われますか?」

「通らないのであれば、ここで舌を噛んで死ぬことで帝国に協力しない旨を意思表示します」

「ふーむ、ラーフェン王家には貴重な王弟殿下のような思考の王女殿下がいらした方が統治は楽でしょうから。わかりました。貴族たちの身代金が貰えれば一緒に他の者も無料でコンヴィルに返しましょう」

「ありがとうございます」

「いえ、ではこちらに」


「叔父上は生きてらっしゃるのですか?」

「あぁ強情な方で我々に協力する気はないと自ら幽閉を望まれて。まぁモーネ王女殿下と対面されるとお考えも変わるでしょうがね」

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