第358話 ニースコンからの急報
メオンの誘いであり、貴族としてではなく冒険者としてだと認識して、黒ローブに≪洗浄≫だけ行って冒険者ギルドの馬車に乗り込む。念の為とレナルマンとマドロールが同乗してくる。自分の馬車はモージャンで魔法の袋にしまったままだなと思いながら、メオンに説明を求める。
「正直なところ俺も詳しくは分からない。ただ、ジェロを連れて来て欲しいと俺に指示が来たということは、金級冒険者への用事という扱いなのだろうな。どうもニースコンの方の問題な感じだが」
「ムスターデ帝国関係ということですか……」
領主館の広間ではガニー男爵が迎えてくれる。
「メオン、そしてテルガニ殿、よく来てくれた。まずは座って話を聞いて欲しい」
メオンとジェロだけが座り、レナルマンとマドロールは後ろに立って話を聞く。
「モージャンから早馬が来た。ラーフェン王国のオンハルト王太子殿下と、うちのギャストル王子殿下達の使節団がムスターデ帝国に襲われたらしい。詳細は不明だが、ニースコンからの使者は、ラーフェン王国のヒルデリン王子殿下がジェロマンを名指しで助けを求めているとのこと。
モージャン子爵からは冒険者ギルドのジェロマンという冒険者を派遣して欲しいと私に言って来ている。
実は先日の魔人には死なれてしまったんだ。それも含めてモージャン子爵や王都には報告を上げていたから、モージャン子爵も冒険者ジェロマン殿へ依頼としたのだろうか。
なぜこんな複雑な依頼ルートになっているのか分からないので、メオンと一緒に足を運んで貰った」
要約するとガニー男爵からの話は以上である。
「ジェロ、どうする?」
「ヒルデリン王子殿下のお呼びでしたら向かいます」
「そうか、王子殿下達を頼むな」
「はい、(ヒルデリン)王子殿下のため向かいます」
ガニー男爵を変な話に巻き込む必要もないと思って余計なことは言わずに領主館から出る。
「メオンさん、行って来ます」
「もう色々から逃げられないようだな。元気でな」
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