第356話 魔人アズキアスのその後
ヤンクイユ商会を出た後に再び屋敷予定地に向かうジェロ。ヴァルと一緒に≪石壁≫で道路整備を再開しているところに、あの≪念話≫が入ってくる。
『ジェロ、魔人アゼルフスよ』
『ガニーの街の危機には間に合ったようですね』
『あぁ、お陰様と言えば良いのか?』
『いいえ。アズキアスを倒したようですね、流石です。ただ、生け取りにしたのは想定外でした。私は殺して欲しかったのですが』
『それは悪かったな。せっかく拘束できたから情報源になって貰おうかと思ってな』
『お気持ちは分かりますが、私としてもそこまでは。嫌な相手ですが、奴隷魔法で束縛されるのは流石に可哀想と思いまして』
『え?あぁ確かにそう考えるよな。奴隷魔法が魔人にも効くのか?』
『我々も人類ですから。従魔魔法は無理ですが』
『で?』
『口を割らないから奴隷魔法を使おうとしたようですが、隙を見て逃げ出して油断したところで、グサイモンに処理をして貰いました』
『!逃がす手助けもしたのでは?』
『さぁどうでしょうかね。いずれにせよ、これであなたとの約束も終わりましたね。私は静かに研究生活に戻らせて貰います。まぁ義理もありますので、何かの折にはそちらの悪魔からうちのグサイモンに連絡がつくようにはしておきますよ』
『ヴァル?』
『えぇ、あちらの悪魔に連絡は取れそうね』
『では』
『アズキアスは死んだか。引き渡した後だから仕方ないけれど、どうせならムスターデ帝国の情報がもっと分かれば良かったのに』
『あら、戦争に介入するの?』
『少なくとも故郷ガニーの街の平穏のためには、ラーフェン王国から帝国は撤退して欲しいとは思うようになったよ。まぁガニーやモージャンの冒険者貴族には縁がないだろうけれどね』
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