第312話 ベルカイム王国への出発2

使節団員達が顔合わせをしているところへ、モーネ王女とヒル王子が登場し、ジェロ達に挨拶に来る。

「テルガニ子爵、この道中もどうかよろしくお願いしますね。以前にお助け頂いた道の逆行なので余計に……」

「王女殿下、これだけの陣容ですのでご心配には及びませんよ。ご安心くださいませ」

「ジェロ、また遊んでね」

ヒル王子の挨拶には、しゃがんで顔を見ながら、もちろんと答える。


最後にギャストル王子が登場する。

「皆、待たせたな。おぉモーネ王女、そんなところに。下級貴族や準貴族など相手にせずこちらへ」

モーネがジェロに顔だけですまなそうな表現をしながら、ヒルを連れてギャストルの近くに向かう。

「ギャストル王子殿下、この度はご同行、どうぞよろしくお願いします」

「あぁ大船に乗った気で任せて貰おう」


「皆、それではベルカイム王国へ向かうとするか。パレードではモーネ王女は私の横に並んで貰うぞ」

「それは見栄えがようございますね。皆、列順もそのようにするからな」

当初計画とは違ったが、ギャストルの宣言に追従したダンビエが先に指示したことなど無かったように護衛隊長として新たな列順を指示していく。



「あぁいうタイプなのですね」

「わかりやすくて良いじゃないか」

レナルマンとこっそりと話すジェロ。



先頭は護衛隊長として目立つ場所を希望したダンビエが務め、中程のギャストルの馬車に無理矢理モーネが呼ばれたので、1人だけ後方の馬車に残されたヒルデリンが可哀想でありすぐ近くにジェロが護衛と称していくことにした。

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