第298話 マドロール3

「ところで、私に何かあった時の子爵の後継者はイドで良いかな?みんなどう思う?」

「な、何を!」

「いや、イドはもともとこのメンバのうちの5人“イドと盟友”のリーダーだったんだし」

「いえ、そういうお話ではありません。我々はあくまでも家臣。別の方をご検討ください」

「そうですよ、早くお子様をもうけてくださいよ」

「いやそれこそそれは簡単には」

「では孤児院などのゆかりの方をお選びください。ジェロマン様が指名されたのであれば、その方にお仕えしますので」

「うーん……」

『フロ姉にでもしておくか』

『勝手にすると怒られると思うわよ』

『相談するときっと断られるし』

『だから怒るのよ。早く子供をつくりなさいよ』

とは言うものの他に心当たりがないので、ガニーのデメテル神殿のシスターであるフロラリーと勝手に登録することにした。王城への手続きはマドロールに頼んである。



マドロールが犯罪奴隷になった経緯等は誰も聞くことも無く、本人が自然と話す気が出れば聞こう程度のつもりであった。

それよりも皆が気になったのは銅級冒険者の腕の方であり、翌日には冒険者ギルドの訓練場に連れていかれて実力を確認することになる。

皆の興味のマドロールの武器の腕を見に行くのに、ジェロまで含めた全員でぞろぞろと行くと迷惑になると思われたので、マドロールと一緒に行くメンバと他の買い物等に分かれることになった。


ジェロは前日には行けなかった他の魔道具店や武具店に品揃えを確認に行くが特に購入するものはなかった。

また、どこでも買える物ならばとアナトマ商会に行き、増えた2人分のバトルホースを発注し、マドロールのための魔法の袋と、マドロールが魔法習得できたときのために魔法発動体の指輪、今後のことも考えて複数を購入しておく。使用武器が短剣であると聞いていたので氷の短剣も購入する。そして、別途マドロールが来店したときに採寸して正装を発注するためのお金も先払いしておく。

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