第280話 コンヴィル王国への帰路

ジェロたちは往路のときと同様に、護衛らしいことは発生しないことを見越して各自が訓練を行っている。


馬車も一緒であるのでゆっくりとした行軍であり、アルマティの騎乗訓練も行えているし、武器の取り扱いも仲間たちが教え始めている。

またアルマティは読み書き計算については子供のときから指導されていたので問題は無く、すぐさまに魔法の訓練に入れる。流石に女郎屋での育成対象に魔法は無かったようで、魔術語などは初めてのことであったが、エルフという種族だからか、もともとアルマティ個人に適性があったからか分からないが、次々と魔法を習得していき魔法発動体の指輪もあげられる初心者卒業となった。その過程で魔力操作も覚えられたので、魔剣である氷の片手剣、炎の短剣、そして帰還と軽量が付与された矢等も渡すことにした。

ただ弓矢と片手剣を普段から装備するにはかさばるのと、華奢でありそこまでの体力が無いこと、まだまだ仲間たちから比べると戦闘力に劣ることからジェロ以外にポーションを配る役割になることも期待して、3m×3m×3mの魔法の収納袋の片方をアルマティに預けることにした。その魔法の袋に弓矢や片手剣をしまうとともに、戦闘時には後方支援や魔石や魔物の死体・素材の回収等も行う分担を想定している。


ジェロは新しく入手した各種の魔導書、魔法カードから自分自身が未修得の魔法の習得練習をするのに合わせて、家臣たちの魔法指導も行う。

自身が新しく習得した魔法、例えば初級風魔法の≪必中≫は特に弓矢を使う風魔法が得意になったエヴラウル、そして習得が進んできたアルマティに指導し、初級土魔法の≪粉砕≫は土魔法が得意になったコンスタンに指導する。


途中途中の街では改めて新たな魔導書や魔法カードを探すが、ジェロ的に目新しい物は無かった。しかし、経済的に余裕が出ているので、家臣たちの魔法習得のためにスクロール、魔法カードや触媒などの使いそうなものは次々と購入し魔法の収納袋に格納していく。

魔剣なども並行して探していたが、既に王都アーレアで調達した物以上に興味を惹かれる物は無く、購入に踏み切れてはいない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る