第278話 コンヴィル王国への帰国
ムラン伯爵たちによるルグミーヌ王国との交渉の結果、ラーフェン王国に接していない国家への折衝、ムスターデ帝国への共同戦線についてはルグミーヌ王国に任せることになり、モーネ王女達とコンヴィル王国はラーフェン王国に接している国々、ベルカイム王国、ユニオール皇国への対応に注力することが合意されている。
詳細の詰めも終わり、早々にコンヴィル王国に戻ることになった使節団。
ジェロたちは冒険者ギルドぐらいにしか知り合いができる間もなかったので、ギルド職員のインリアンに別れの挨拶をしたぐらいである。
モーネ王女達と共に国王ハーラルフ・イブリッツ・ルグミーヌに挨拶を行い、使節団員は正装のまま王都アーレアを出発する。
到着したときには住民たちからの歓迎等も無かったが、今回はルグミーヌ王国側が手配、周知をしていたこともあり、王城から王都を出る門までの道の両側には住民たちが大勢押し掛けるパレードになった。
「俺たちの看板娘を助けてくれてありがとう!」
「アンデッドたちを退治してくれてありがとう!」
と言う声や
「あれがラーフェン王国のモーネ王女殿下か、お奇麗だな」
「いやいやうちの第2王女、メンヒルト王女殿下の方が」
という声も聞こえてくるが、
「ムスターデ帝国と戦争になるらしいぞ。そのためにこの2国の使節団は来ていたらしい」
「おい、あんな軍事大国にこの小国が勝てるのか?」
「まぁうちの魔術団は優秀だから上手く立ち回れるんじゃないか?」
「確かに騎士団員は少ないからな……」
という戦争への不安の声もささやかれている。
ジェロの仲間たちはコンヴィル王国を出てくるときに経験済みで、慣れたと言えるほどではないが、完全に初めてのアルマティほどではない。アルマティは初行進のため、何もしなくて良い御者台に乗せていたが、よそ見をする余裕も無さそうであった。
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