第276話 言語考察2
ジェロは、現代語、現代魔術語、古代魔術語とは別の太古の言葉の存在をヴァルに教わり、困惑している。
『仮に神代語とでも呼ぶとして、つまり、この世界へ働きかける、直接命令をする言語がその太古の言葉、神代語ってこと?』
『その表現で正しいわね』
『そうか。でもこれで何となく分かったぞ。ちょっと昔の言語である現代魔術語でも、大昔の言語である古代魔術語でも魔法が発動するのは、どちらもこの世界が翻訳していたんだな。となると、現代語に近い現代魔術語はBASIC、C言語、Pythonなどの高水準言語、高級言語とみなして、古代魔術語をマシン語やアセンブリ言語などの低水準言語、低級言語とみなせば良いか。しかしそれぞれコンパイル、アセンブリする先はコンピュータでの電気信号のON/OFFの1/0の2進数ではなく、高次元の存在が会話に用いる言語、神代語であると』
『ジェロ?』
『ふーむ。古代魔術語ですら文字や単語が膨大なのに神代語はさらに膨大なんだろうな。パソコンのキーボードも日本語入力する際にはローマ字入力するよりかな入力の方が早いと言われるように、多くの文字や単語があると言うことはそれだけスムーズに素早く世界に命令ができるんだろうなぁ』
『ジェロ?』
『神代語は発音すら出来ないと言うならば、漢文に一二点やレ点をつけて日本語っぽくしたことの逆、なんてレベルではないのだろうな……』
『ジェロ!』
『あぁ、ヴァル、どうした?』
『ちょっと分からない言葉の迷宮に入っていたわよ』
『あぁ、ごめん』
『まぁ何となくは分かったけれど。神代語って表現の言葉は、今となっては異次元の言葉になっていて、この世界自体に働きかける命令語としては実際には使われていない。古代魔術語や現代魔術語と言う人間にも分かりやすい言葉を経由して世界に命令している、ってので正しいわよ』
『じゃあ、今の会話に使われる現代語でも工夫すれば魔術語になり得るのかな』
『あら、面白い発想ね』
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