第260話 ルグミーヌ王国からの謝礼
「状況は理解できた。では直接の討伐のお礼はテルガニ男爵へ。そしてその男爵に指示をしていたラーフェン王国とコンヴィル王国の指揮へのお礼というところだな」
「は」
「両王国の望みというのは、ムスターデ帝国への共同戦線ということで良いのかな」
「はい、何卒。ラーフェン王国をお助け下さい」
「宰相、騎士団長、魔術師団長、いかがかな?」
「は、王女も取り戻して頂き、魔物も討伐されたのですから、ルグミーヌ王国として雪辱を果たす機会のためにも良いかと」
「宰相殿、しかしムスターデ帝国は魔人とも手を組んで一筋縄ではいきませぬぞ」
「魔術師団長殿、その魔人を倒したという男がそこに居るのですぞ」
「それも眉唾かもしれません。魔法に優れる我らがルグミーヌ王国の魔術師団員でも王女殿下の奪還が叶わなかったというのに」
「事実、王女殿下の奪還を成し遂げられたのですぞ。それに魔人やヴァンパイアの証跡はお持ちなのでは?テルガニ男爵、ご披露頂けませんか」
「え、あ、はい……失礼します」
頭をさげたまま、2体の死体を近くの床に取り出す。
「「おぉ」」
「確かにこの角は魔人の証なのでしょう。それにAランク魔物のヴァンパイアまで同時に一人で倒されるとは。金級冒険者以上の実力をお持ちということですよね。魔術師団長殿、これでいかがですかな?」
「機密情報のため他に広げないで頂きたいのですが、この者は、コンヴィル王国においても2度、魔人を撃退しており、さらに一人を死亡させております」
ムラン伯爵の発言も後押しされたのか、それ以上の反対意見は出ない。
「では、ルグミーヌ王国もラーフェン王国、コンヴィル王国と手を結びムスターデ帝国へ対抗することにいたす。詳細は事務方にて打合せさせて貰おう」
「「ありがとうございます!」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます