第247話 森の奥の屋敷
マミーとゴーストに狙いを変えて奥に進むようになったジェロたち。
その2日目、魔人アゼルフスに言われた翌夜に、アンデッドを倒しながら進んでいると明け方になり大きな屋敷が遠目に見えて来た。
「アンデッドが大量発生の奥にあんな館、明らかに怪しいですね」
「準備をしっかりして改めて来た方が良いですね」
「情報収集もしないと」
冒険者ギルドに討伐報告をするのに合わせて屋敷の話を聞いてみる。
「その場所は、没落した貴族の別荘だったところですね。当主が発狂して使用人たちを惨殺したと噂になり誰も寄り付かなくなって久しいです。しかし、方向的にそこが今回の魔物発生の重要拠点なのかもしれないですね」
「ところで、ここに所属の上位冒険者たちはどうしているのですか?」
「元々そこまで強い魔物が発生しにくいこの国では銀級以上の冒険者はほぼ居なく、他国に移籍しやすいのです。ただ魔物が居ないわけでないので、その少ない上位冒険者はいつも田舎の強めの魔物退治に遠征して貰っています。最近の増えたアンデッドも緊急性がそこまで高くないとみて、より緊急性のある遠征を引き続きお願いしています。そのため、アンデッド増加への対応が後手になってじわじわと押し負けている状況でした」
「王国騎士団や魔術師団の皆さんはどうされているのですか?」
「王国批判というわけではないのですが。騎士団はこの国では規模が小さいので魔物退治に手はまわらないと思います。魔術師団はエリートの集まりであり、国庫補助を受けて学者的な研究に没頭するのが普通で、魔物退治などは冒険者に任せればよい、と思われているかと。それに、そのような訓練がされていない魔法使いは簡単に魔物の餌食になるので冒険者たちにとっても足手まといになるかと」
「なかなか厳しい状況ですね……」
「ですので、皆さんがアンデッドを大幅に減らしてくださっているのは大変助かっています。引き続きよろしくお願いいたします」
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