第219話 王都4日目2
冒険者ギルドのザールと事前に話していた通りに王女達と同行することになったので驚きつつ、話の続きを待つ。
「コンヴィル王国、ラーフェン王国、ムスターデ帝国のいずれにも接しておきながら今回の件には静観の態度を示しているルグミーヌ王国に向かって欲しいのです。かの国は山間の小国ですが、魔法使いが多く戦力として期待できます」
「かしこまりました。一緒に向かう方、例えばコンヴィル王国からの外交官はどなたになりますか?」
「流石ですね。はい、外交官として正使がバルナタン・ムラン伯爵、副使がギャスタン・カルカイム子爵です。他に護衛として王国騎士団と王国魔術師団からそれぞれ人選されることになっています」
「出発はいつでしょうか?」
「もちろんなるべく早い方が良いのですが準備もありますので、明後日になりました。ジェロマンさんもご準備をお願いします。もし可能であれば魔術師団員にだけでも顔合わせさせて頂くため、また午後にでも拠点にお越し頂けると幸いです」
「かしこまりました。お伺いいたします」
ジェロたちは城を出た後、アナトマ商会に足を運ぶ。
「連日のご来店、誠にありがとうございます。本日はどうされたのでしょうか。馬車は明日にはご用意できますが」
「はい、また内密のご連絡になるのですが、我々はこのままモージャンに戻ることは無くなりました。モーネ王女達とルグミーヌ王国へ向かうことになりました。申し訳ありません」
「何を謝られるのですか?」
「え?モーネ王女護衛のために無理やりモージャンからここ王都までアナトマさんたちの商隊に偽装して来て頂いたのですから、一緒にモージャンに帰ることを想定されているかと」
「そんなことですか。もちろんご一緒できれば良かったのですが、こちらに到着した後は軍事行動と商隊移動が一緒になれるとは思っていませんでしたので、覚悟はしておりました。どうかお気になされずに」
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