第205話 王国魔術師団2
ジェロ、リスチーヌの後ろにイドとレナルマンが続くように練習場に入って行く。ジェロはしっかりした体格で革鎧と刀、リスチーヌは斥候らしく体型を見せない黒ローブ姿、イドはジェロと同様の体格で金属入りの革鎧と片手剣を装備、レナルマンは細めの体型で革鎧と片手剣を装備している。イドとレナルマンは流石に大盾と盾を馬車に残して来ている。
その4人の姿を見た魔術師団員たちがこそこそと話をしている。
「あれ見ろよ。誰が新しい男爵だ?魔法使いっぽいのはあのローブの奴か?」
「いや、女だろう、あれは。新男爵が女性とは聞いていないぞ。あの細身の奴じゃないか?」
「あの4人の並びならば手前の2人のどちらかじゃないのか?だが、どちらも魔法使いの体型ではないよな。強力な魔法使いっていうのは噂だけか。誰かの手柄を取ったか大げさになっただけか」
「まぁ俺たちの魔法を見て腰を抜かさないと良いのだがな、ははは」
団員たちの内緒話はジェロたちには聞こえず、団長から説明が始まる。
「本日この拠点に居る魔術師団員たちになります。ぜひ自分たちの力をご覧頂きたいと申しておりまして」
『団員たちは、最初に圧倒して優位に立とうと思っているのかしら』
『ま、そんなところかな』
「私なんかのためにそれは光栄でございます。ぜひともよろしくお願いいたします」
流石に広い敷地であるので、団員たちが横一列に並んで人のいない方向に向かって遠慮なく各々が魔法の発動を始めた。
『ねぇこれって』
『まぁそう言うなよ』
≪火球≫や≪水球≫のような初級魔法を魔法陣や詠唱を使用して発動している者が多く、中級魔法の≪火炎≫や≪氷刃≫を魔法陣無しで発動する者も少し居るが、上級魔法の使い手は≪豪炎≫を発動する2人しか居なかった。また驚いたことに全員が触媒を使用して魔法を発動させていた。
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