第202話 王都冒険者ギルド3
「ジェロマン様、もう一つ。テルガニ男爵の連絡先は冒険者ギルドであると王城には伝えておきますね。王都での拠点が定まるまでは」
「冒険者ギルド所属をますます強調頂けるということですね。よろしくお願いいたします」
ニヤリとザールが笑った後、追加で確認をされる。
「では最後に家臣のお話を」
「ジェロマン様、いえ、テルガニ男爵、ぜひ我々6人を家臣にしてください。末代まで末永い忠誠を誓いますので」
「イドさん……」
「私は奥様、正妻とまでは求めませんので妾にでも」
「リスチーヌさん……」
「ま、後者は本人たちで決めて貰えば良いですが、冒険者ギルドとしても中堅冒険者の今後は気になります。もしも彼らを家臣にされるならば、彼らの実質の拠点をガニーの街のままにできないでしょうから、男爵の本部付け変更と併せてガニーに連絡しておきますので」
「はい……」
「ちなみに、ギルド職員でもあるテルガニ男爵に言うまでも無いことですが、冒険者は基本的に根無し草のような不安定な職であり、いつどこで野垂れ死にするかと見られています。もし貴族の家臣になれる、仕官できるとなれば親兄弟の自慢の家族となります。しかも準貴族でない男爵家の家臣団ともなればさらなる誉となりますので、給金など少額でも名誉のために仕官希望が殺到すると思います」
「テルガニ男爵、給金は年に金貨1枚でも結構です。我々6人にどうか」
「イドさん、皆さん、わかりました。どうぞよろしくお願いいたします」
「では、ガニーに連絡しておきますね。あと付け加えるならば、冒険者の家臣だけでなく、貴族としての慣習や運営などもわかる家臣も求められた方が良いですよ」
「そうですよね。ありがとうございます」
「ま、今しばらくは王女達の護衛などがあれば拠点も構えられないでしょうから、逆に戦闘能力のある家臣だけの方が良いと思いますよ」
「ザールさん、何から何までありがとうございます」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます