第201話 王都冒険者ギルド2
ザールから、本部付けの辞令を貰いムスターデ帝国への戦争に行けると言われ言葉につまるジェロ。
「どうした?」
「実はこの戦争、どちらに正義があるのかわからないのです。確かに遭遇したムスターデ帝国兵はいずれも他国民の我々に傲慢な態度でしたが、ラーフェン王国の王太子はさらに酷かったです。また王女が国王や王太子の態度を真似したという態度を考えると亡くなった国王も酷かったと想像されるので、国民にとっては今の方が幸せな可能性を疑ってしまいまして」
「なるほど。ムスターデ帝国は征服した領地の住民を二等国民として差別、虐げる軍事国家であり、ラーフェン王国の建国王も住民のために立ち上がったと聞いている。しかし国王が2つも代替わりをしたことにより、という可能性か。ただ、生まれ育ったガニーの街もムスターデ帝国には近い方だから、万が一ガニーの街が攻められて虐げられるとなればどうかな?」
「それは理解しています」
「まぁ自分の目と耳などで感じ取り理解、判断していけば良いだろう。となると、第一陣での出兵への参加は悩ましいか。おそらく第一陣は騎馬隊で早々に国境に兵を確保するのとモージャンやニースコン、ラーフェン王国の入口で後発部隊を受け入れる準備だろうからそれでも良いか」
「ジェロマン様、ザール様。ラーフェン王国の王女達はどうなりますかね。モージャン、ニースコンという前線への早期移動であっても、他国への援軍要請への移動であっても、慣れた護衛が必要になるのではないかと。またラーフェン王族に対して再び魔人が襲撃してくる可能性もあるとお伝えすれば、ジェロマン様は王女達への護衛になりませんか?」
「レナルマン、流石であるな。確かに他国への援軍要請はコンヴィル王国の外交官だけでなくラーフェン王国の王族が同行する方が高い効果を得られそうだが、その護衛等の検討が必要だな。戦争が激化する前ならばジェロマン様の戦力が前線に必要とは言われないかもな。しかも新興貴族のジェロマン様をいきなり前線に組み込むには混乱が大きそうであるし」
『色々とあてにされそうね』
『戦争なんて前世では遠い世界のことだったのに。正直、逃げ出したい……』
『ならば余計に王女達との他国まわりが良いわね。その間に色々と学べるでしょうし』
「ではジェロマン様、冒険者ギルドの方から本部付けになったことと、王女の護衛の件などはギルドの方から王城に連絡しておきますね」
「ザールさん、どうぞよろしくお願いいたします」
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