第199話 テルガニ男爵家3

「ところで、家臣や使用人、屋敷や馬車などについてはいかがなされるおつもりですか?お役に立てるならば、と存じますが」

「流石アナトマさん、実は困っていまして」

「いや、ジェロマン様、家臣は我々“ジェロ班”の6人をぜひとも」

「イドさん……。このようにおっしゃってくださる方もいらっしゃるのですが、急なことでまだ色々と決断できず」

「そうですね、拠点が王都で決まっているならば屋敷や使用人等もすぐに、ですが、ガニーかモージャンの街に戻られるのですよね?」

「なんとなくそのつもりですが、まだ決まっていません。ラーフェン王国を助けてムスターデ帝国と戦う話もありまして」

「テルガニ男爵!軍事機密の漏洩にはこれまで以上にお気をつけくださいね。状況はかしこまりました。では、先ほどの物品は早々にご準備するようにいたします。他にご入用の物はございませんか?取り急ぎの身の回りのお世話をする使用人、戦場にも連れていける最低限の戦闘力のある奴隷など探しましょうか?」

「え!?あぁそういうことも考えないとダメなんですね。そこは追々にさせてください」

「犯罪奴隷は特に命令が絶対ですので情報漏洩も無いので、貴族の方はご検討された方が良いと思いますよ」

「はぁ。ただ、孤児院の子供たちの就職先の一つになるのも良いかとも思いますので」

「それは良いお考えですね」

「ガニーに戻った時にシスター達とも相談するようにします」


魔法カード等の魔道具や、ハポリエルの依代にするような何かを探したいところではあるが、次はザールを追いかけて冒険者ギルドに向かうことにする。

「ジェロマン様、今日はドタバタですね」

「まさかの登城、国王への謁見、叙爵など色々ありましたからね」

「まだ今日は終わっていないですよ」

「脅かさないでくださいよ、レナルマンさん」

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