第194話 男爵叙爵2
続いて官僚らしき服装の男性2人が入室して来る。
「ユゲット・バンジル様、先ほど決定された事項を伝えるためモージャン子爵に早馬を飛ばします。何かお伝えすべきことがあればこの場で頂戴できますか」
「わかりました、少しお時間を頂けますか」
とユゲットは文具を借用して手紙を書きだす。
「では、ジェロマン男爵、今から貴族についていくつかご説明をさせて頂きます。他の皆様もご一緒でよろしいでしょうか」
「はい」
「では、先ほどご認識されたかもしれませんが、叙爵とは国王陛下との契約魔法になります……」
といくつかの事項について淡々と説明をなされていく。手順書、マニュアルでもあるのであろう。
叙爵は爵位を下されることであるが契約魔法であり、奴隷契約程ではないが国王に尽くすことを約束したものになる。コンヴィル王国の貴族は、王族の親戚である公爵の下、侯爵、伯爵、子爵、男爵、準男爵、騎士爵となり、準男爵以下は準貴族、子爵・男爵は下級貴族、伯爵以上は上級貴族と呼ぶ。一代限りの名誉爵もある。
領地持ちでない場合は法衣貴族と呼ぶ。法衣貴族の場合は領地からの税収が無いため年金が支給される。税収もしくは年金で貴族の格に合わせた家臣団も揃える必要がある。
貴族は家名や紋章を持つものであり、早めに決定して登録する必要がある。特に紋章は家ごとに異なる必要があるので重複確認が必要となる。
上級貴族が下級貴族に対して寄親・寄子という協力関係を作り、国王が数多くの貴族全てを直接管理しないようにする国もあるが、コンヴィル王国にその制度は無い。
法衣男爵の年金は毎年金貨50枚である。金貨1枚は銀貨100枚で、普通の職人日当が半銀貨~1銀貨であることを踏まえると、5人~10人程度の従者などを雇用して最低限の体面確保が必要。
説明の切りがついたところで年金と同額を支度金として差し出してくる。またユゲットが手紙を官僚に預けたことで、官僚たちは退出していく。
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