第191話 コンヴィル国王御前3
指名されたザールは冒険者ギルドも代表して、かいつまんだ報告を行う。
モージャンにて魔物氾濫(スタンピード)を魔人が企んだこと。それはムスターデ帝国と示し合わせたコンヴィル王国への後方撹乱であったこと。その張本人の魔人は撃退済みであり、片方は死亡させたこと。その死亡した魔人の父がラーフェン国王を殺して王都を陥落させた魔人であること。モージャンで後方攪乱を図った魔人の生き残りが、先日モーネ王女達を襲ったが再び撃退済みであること。
そしてその撃退や殺害をしたのはここに居る冒険者ギルド職員ジェロマンであること。
特に魔人を撃退や死亡させたこと、そしてその人物がここに居ること等において多くの貴族からの声が漏れたのがジェロにも聞こえて来た。
「騎士爵よ、説明ご苦労。その類まれなる活躍をした者には褒美が必要かと思うがいかがかな、宰相」
「は、これからのムスターデ帝国及び魔人対策において幸先良い先陣を切ったと認められ、一番槍の功績もと考えますところ、準貴族ではなく貴族への叙爵が相応しいかと存じます」
「ふむ、なるほどのう。ではいきなり与える領地はないため法衣貴族として男爵に叙爵することとする。一代限りの名誉爵ではないぞ」
「ジェロマン、前へ」
会話から宰相と思われる者からの声掛けに従い前に進み、続く言葉で面を上げる。
「ルネスラン・エビナント・コンヴィルの名において、ジェロマン、そなたを男爵に叙爵する。これからもコンヴィル王国のために励むように」
「かしこまりました」
『あら、契約魔法が発動されたみたいね』
『えー、これだけで?』
『あの王冠かしら。良く調べてみたい魔道具ね』
「皆の者ご苦労であった。急ぎ戦いに備えろ。第一陣は3日後に出立することにする」
「「「はは!」」」
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