第185話 王都到着3

「アナトマさん達も本当にありがとうございました。王都の支店に向かわれるので良いのですよね?またお店を拝見に行きますね」

「ジェロ様、本当にお分かりでないのでしょうか?はい、またすぐにお会いするのをお待ちしておりますね。もしもの際には拙宅に滞在頂いても結構ですのでご遠慮なく」

「いえそこまで甘えさせていただくわけには。はい、また今度」

アナトマ達とも別れて王都の冒険者ギルドに向かう7人。


「レナルマン、どういう意味なんだ?なんか会話があっていない感じだが」

「イド、お前も分からないのか?皆お人好しすぎるぞ。まぁすぐにわかるさ」


王都の冒険者ギルドの受付、ここでも美人の受付嬢にサイン入りの依頼完了書と添状を提示したところ、応接室で待つように言われる。

「報酬が高額だから受付ではなくここで渡されるのかな?」

と話しているところで入室してきたのは、以前にモージャンの街でギルドマスターをしていたザールであった。


「やはりお前たちだったか。添状なども見た。色々とやってくれたようだな。直接話を聞かせて貰おうか」

「ザール様、冒険者ギルドの王都本部で幹部に、さらに騎士爵様、つまりお貴族様になられたと伺っています。我々下々の話を直接など」

「所詮は準貴族の騎士爵、さらに一代限りの名誉騎士爵だ。気にするな」


仕方ないとレナルマンが要点をかいつまんで説明する。

ラーフェン王国の王女達がムスターデ帝国から逃れてニースコンに。そのニースコンからモージャンへ帝国兵を撃退しながら護衛した自分たちが再度王都への移動にも護衛に雇われたこと、先ほど王女達とモージャン子爵邸で別れてきたこと。

また、モージャンから王都の途中で帝国兵、盗賊、そして魔人を撃退したこと。その魔人はオークダンジョン最奥で生き残ったもう一人であったこと、死亡した魔人はラーフェン王国陥落に関わった魔人の息子であったこと等である。最後のことは、ジェロから“ジェロ班”メンバにだけ共有した内容であった。

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