第164話 帝国からの追手2
「ジェロさん、流石ですね。でも今回は火魔法では無いのですね」
「えぇ、ちょっと話を聞きたいと思いましたので」
「確かに、燃やすと聞けないですからね」
凍っていても命までは落としていない者たちを縛り付けたうえで尋問することにする。
王族たちに見えたり聞こえたりしないような配慮のため≪土壁≫は残したまま、拘束した10人の追手たちを街道から少し離れた場所まで引っ張っていく。
さらに念のため、そこに新たな≪土壁≫を発動させてから尋問を始める。
尋問を行うのはイド、レナルマン、コンスタンの3人であり、ジェロは気を使われて王女達の護衛に戻らされた。
『念のため私は聞いておくね』
『ヴァル、ありがとう。お願い』
その間に、追手の乗馬から馬具を外しておく。尋問の結果次第だが、まず間違いなく帝国兵であろうから、野に放つためである。馬を殺すのはかわいそうだが、話せない馬たちとはいえ連れて行くと何かの特徴などから追跡の機会を与える可能性もあるため、自分たちで使えないどころかどこかへの売却も危険である。
「やはり帝国の追手だったようです。目立つ鎧は脱いでいましたが、使用している剣は同じものでした」
「馬具も同じでしたよ」
尋問が終わったイドたちと合流して情報のすり合わせを行う。
「帝国兵はなんで何度も似た行動をとってくるんだ?学習していないのか?」
「我々がモージャンに到着するまでの2件、ニースコンの城門、そしてモージャンまでの街道では誰も逃がさず殲滅したので、強力な火魔法にやられたという情報しかなかったようです。オークダンジョンで追手をまいたときには対面していませんし」
「私たちが最初にオークダンジョン最奥で遭遇して生き残った方の魔人は帝国とつながっていないのですかね」
「確かにあの時も火魔法だったよな。ジェロさんが日本刀を所持している等の外観情報も伝わっていてもおかしくよな」
「でも、そもそもで魔人の存在を知らないようでしたよね」
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