第147話 モージャン領主館への呼び出し
モージャンで、ある程度は平和な日を過ごしていたジェロや“ジェロ班”であったが、領主館からの急な呼び出しがあったことをアンブリスに告げられる。
「何用でしょうか?」
「うーん、分からないな。王都から王女・王子を連れて来いと指示が来たならば護衛も来るだろうしな。まぁ俺も一緒に行ってやるから心配するな」
アンブリスが居れば発言機会も無いだろうと勝手に思うことにして、一緒に領主館に向かう。あらかじめ日本刀も≪収納≫の指輪にしまっているので、誰かに預けることもなく謁見室に向かう。アンブリスの目線がどうも宙に浮かぶヴァルに時々行っているような気がするが触れたら負けと考えて無視する。
開けられた扉の中にアンブリスとジェロ他6人が呼ばれるまま入ると、中には領主ルベリート、王女モーネ、王子ヒルデリンが居た。他に一番の上座らしきところに若い男性が座っていることに違和感もあったが、それよりもメオンの顔を発見して気持ちが楽になった。
「お前達がモーネ達を連れてこの街に来た冒険者か?」
「は、正確にはこのジェロマンは冒険者ギルド職員ですが、この者が率いた冒険者にて護衛させて頂きました」
まだ扉から入り頭を下げるであろう場所にたどり着く前に不躾に話しかけられるが、アンブリスはその場で腰から頭を下げながらジェロのことを身振りで示す。
「そうか、ではモーネが渡したというラーフェン王国貨幣を返して貰おうか」
『え!?』
ジェロだけでなく周りも含めて言葉を失っているなか
「兄上様!流石にそれは!」
「五月蝿い、そもそもお前が大事な金を冒険者風情に配るのが悪いのだろうが!」
「な!」
王女モーネとの会話で、行方不明であった王太子であることは推測されたので、下手な発言は絶対にできないとその場で膝をついて頭を下げるだけのジェロ。
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