第138話 モージャンの街へ
オークダンジョンの裏口から出てきたジェロ達は警戒しながら表の入口付近に移動する。
「お、3人ほどの留守番か。馬の数が一体いくつだ?俺たちの馬以外に」
「……帝国兵ので30頭ぐらい居そうだな」
「はぁ」
遠隔攻撃できるジェロとヴァルの≪火槍≫と≪豪炎≫で反撃されることなく3人の帝国兵を戦闘不能にした後、帝国兵の馬を係留していた綱を全て外す。なかなか逃げない馬には剣などで脅すことであちこちに散り散りに去って行かせる。
「ジェロさんも陰湿ですね」
「いや、足を少しでも減らした方が我々も助かりますよね」
「そうですね、今のうちに我々は街に入ってしまいましょう」
ダンジョンに近い方の城門に、ジェロ達11人は並んで街に入る。
「何だお前達の組み合わせは?」
「はい、我々は冒険者ですが、途中でオークに襲われていた商人の4人と合流しまして」
「オークだ?」
「こちらがそのオークです。魔石は抜きましたが」
魔法の袋からオークの死体を2匹分まで出したところで衛兵から止められる。
「わかった、わかった。なるほど魔法の収納袋か。確かに身分証もニースコンの物だな。この街に知り合いは居るのか?」
「アナトマ商会さんというのでそちらにお連れします」
「そうか。まぁ今回は災難だったな。命があっただけ良かったな」
無事にモージャンの街に入れたところで、騎士アントマーが小声でレナルマンに話しかけてくる。
「ニースコンにラーフェン王国の鎧のままで入れたのは運が良かったのだな」
「そうですね。帝国への内通者に感づかれずに領主館に行けたのですから。今回はラーフェン王国関係者としないための商人の身分証、領主様の配慮のおかげで何とか、ですね」
「いや、君たちのお陰が一番だ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます