第45話 応援駆け付け
「そういえば、たくさんの素材納入も無くなったな」
とヴィクシムに声をかけられる。
「そうですね」
「まぁ、俺はあんな量の鑑定が続くと倒れてしまうから助かるのだけど」
『モージャンの街も落ち着いたのかな』
とジェロは思っていたところ、噂をすれば影、なのか冒険者ギルドに飛び込んで来た者が居る気配がする。どうも早々にギルドマスターの部屋に案内されて行ったようである。
嫌な予感がしていると、ギルドマスターの部屋に、メオン、バスチャンと共に呼ばれる。
「急にすまない。モージャンの街で魔物が溢れて対処ができなくなっているらしい。急ぎこのガニーの街の冒険者たちを連れて応援に駆け付けて欲しい」
「わかりました。冒険者へ緊急依頼をかけます。明朝出発で良いでしょうか」
「あぁ、そこまで切迫では無いらしいから、中途半端な応援で逆に迷惑をかけられない」
「戦闘系としてバスチャン、事務系としてジェロマン、私が取りまとめで良いのでしょうか」
「そのつもりだ。ただジェロ、ときには回復魔法も頼むな」
「かしこまりました……」
「大丈夫だ、戦闘は他にたくさんの冒険者が居るし、バスチャンも居るから心配するな。口の悪い奴らが戦闘でさらに気が立っていても、回復役に絡むバカも居ないだろうし、バスチャンの横にいれば舐められることもない」
「おぅ、任せておけ」
「はい……」
上司メオンがマスターと話を整理しながら、ジェロのことも気遣ってくれる。
「さぁ、緊急依頼の準備だ。冒険者ランクごとの報酬の設定をするぞ。それに移動に馬車で2日と言っても、あちらの食料事情は分からない。余裕を持って食材も持参するからそれらの調達も必要だ。武具のメンテナンス用品、ポーションなどの消耗品も忘れるな」
日頃から商会と対応している者以外の裏方も駆り出されて、あちこちに仕入れに向かう。もちろんジェロも鑑定魔法を使用できるので、調達部隊に回される。
いくつかまわる商会の一つにはヤンクイユ商会もあり、エムたちに無事を祈られる。
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