第39話 初級冒険者2
孤児院の年上の人からの、ジェロと同世代に対する薬草採取の伝授が終わると、その少し年上の人達は簡単な魔物退治への挑戦に移行していく。その少し年上の人達も、彼らより年上に魔物退治の最初の指導をされるのである。そしてその最も年上の人達は孤児院を卒業して行くのである。
もちろん向き不向きもあるので絶対ではないが、だいたいはそのようにして孤児院の中で世代引き継ぎをするのが慣例となっていた。
ジェロも最初は薬草採取の道具、採取ナイフ等を先輩から受け継ぎ、街の外へ出かけていた。いくら街の側とはいっても魔物に遭遇する可能性があると先輩に脅されていたので、同世代で集まって行くことが通例になっていた。
『ジェロには私がいるから周りを見ていてあげるのに』
『俺だけ1人で行くわけにいかないだろう。それに魔物側も子供とはいえ複数人が居れば寄って来なくても、俺とヴァルなら俺1人に見えるから襲われるかもしれないだろ』
『契約してくれれば低ランク魔物ぐらい倒してあげるのに』
『いや、その話は無で』
採取した薬草は、神殿で回復薬を製作する材料にする以外に冒険者ギルドに納品もする。そのため、冒険者ギルドに納品して得た現金は個々人に運用が任されて、自分達の装備を更新するのか貯めるのかお菓子などに使うのか、お金の扱いについて学ぶ機会になっている。
ジェロは魔法関係の習得もしたいし、安全のために装備も良い物にしたいし、そもそも将来に不安もあったので、まずは貯めていた。
最初の薬草採取や、それを活かした回復薬の調合も神殿で手伝いながら習得することができた。
魔法回復薬、ポーションと言う即効性のある物ではない、一般の回復薬はすぐに作成できるようになった。さらにはその一般の回復薬に魔力を込めることで作成できる物であるポーションも、魔力操作も習得していたジェロには作成できるようになった。
まだまだ低級品ではあるが、神殿での販売品にジェロが作成した傷回復薬、魔力回復薬のポーションも並ぶようになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます