あいつの夢
千秋さんは、暫くしてすぐに寝てしまった。隣で眠る千秋さんの顔を見ながら、私も目を閉じる。
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「お母さん、雪那を預かってもらえませんか?」
『えっ!私は、今から友達と出掛けるから無理よ』
「無理って言われても困るんです!だったら、少しだけ援助していただけませんか?」
『それは、無理よ!私もカツカツなんだから』
「そんな、それなら雪那を…」
『ごめんなさい、葵さん!友達が来ちゃったから』
プー、プー、プー
結局、私は生活費を稼ぐためにパパ活をするしかなかった。
「本当に大学生?」
「はい」
もう、こんな生活を辞めたくて、あいつの親にお願いをしたのに雪那を見てもらう事は叶わなかった。私は、また大学生と嘘をついて、パパ活をするしかなかった。勿論、性行為あり!
「大学生ねー」
そう言いながら、おじさんは上から下まで私を見つめていた。
「信じるよ」
ホッとしていた。そうして、また私はこれでお金を稼いでいくしかなかった。
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「葵、やらせろよ」
「やめて、疲れてるの」
「うっせーな!知らないおっさんに抱かれてるくせに言うなよ!」
「誰のせいだと思ってるのよ」
「お前のせいだろ?俺の足をこんな風にしたんだからよ」
「また、その話なの」
「ほら、させろよ」
「やめて」
乱暴なキスをされて、乱暴にされた。毎回、毎回、避妊をしてくれなくて恭介を妊娠した。
「本当に俺の子か?」
「はあ?あんた以外にいるわけないでしょ」
「なわけないだろ!おっさんとしてんだからよ」
「あんた以外とは、避妊してるわよ」
「そんなの絶対じゃないだろ?」
「ふざけないでよ」
恭介を妊娠したせいで、お腹が出てきてからは、そういう性癖の人間を探した。
「妊婦なら20万だって、よかったな!葵」
あいつは、ニタニタと嬉しそうに笑ってる。それでも、この命を産むために私はお金が必要だった!そして、雪那を食べさせていく為にも…。離婚するなんて、思い付かなかった。実の両親も、私の子供を見てはくれなかった。唯一、こいつは雪那を見てくれる存在だった!だから、一緒にいるしかなかった。
恭介を出産したら、大学生だという嘘がつけなくなってしまった。母乳の出る大学生なんているわけがなかった。それでも、年齢は誤魔化した。母乳を売ったり、大学生の母と偽ってパパ活をした。
「ムリムリ」
「いらないよ」
断られる頻度が増えていく。食べるものが質素すぎるせいで…。
「こんな母乳は、買い取れない」と、母乳の買い取りさえも拒否されるようになって、私は雪那を使い始めた。あの頃の私のようにあの子を…。
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