第49話 外灯が照らす場所

星は外灯の先へと進む。

「なあ。七。お前は勝ったがこの先も戦えるか?」

「星先輩…」

「お前は本当に一人で戦えるか?」

「私は………」

七は答えられない。

星は七の方へと行く。

「そこは、戦うって言うとこだろ?」

七は自分が一人で戦えてない。

勝てたのは誰かいたからだ。

星は七の手を握る。

「私と戦え」

「え…」

「お前は勝てても弱い。一人で戦えるようになるために私を見てろ」

星は踏み出す。

四角い刃を持つ。

そこにいるのは針モンスターではない。

ギョロリとした目を持つモンスター。

一つ目で長細い体に四本の手足を持ち、こちらへやって来る。

星は刃を持つと突っ込んでくるモンスターの体を横方向に斬る。

モンスターは消えていく。

他のモンスターもドドドとやってくる。

七はビクッとするが、手を向ける。

やはり、青の輝きが起きる。

鎖は現れ、彼女の回りを囲み、モンスターを弾く。

星はその姿に一言。

「お前は守られているな」

七はズキッとすると。

鎖はパキパキと割れ、消えていく。

「あ……………」

七の元へモンスターはやってくる。

赤い口を開け牙を見せる

星は自らの拳で打つと、四角い刃で突くように貫く。

「星先輩…」

「ほら、どうする?こういう時。だめだろ?それでは力のないときに自分を守れない」

七はショックで言葉を失う。

星は四角い刃だけではなく、モンスターに腕を噛まれても足に力を入れて蹴りつけることで後ろへと飛ばす。

「こうやって!自分のことを守るっ!」

「あ………」

「一つ勝って調子に乗るんじゃない。次のモンスターは来てる」

そこへ、七の方へ腕を振るモンスターがやってくる。

守り方が分からない。

七は目を閉じる。

「七様!」

七は目を開けると優衣がいる。

「まだ戦えてないんだね。どうやって勝ったの?」

優衣と星は互いにそれぞれ倒してしまう。

七は二人を見つめた。

終わると星は七へ冷たく言う。

「弱いんだ。お前は。一人で戦えない」

「はい……………」

七はうつむく。

「体を鍛えろ。反応出来るようになるんだ。私は強くなったお前と…共に戦ってみたい」

星は行ってしまう。

七はうつむく。

優衣は声をかける。

「七様。ケガは?」

「大丈夫です」

優衣は七へ手を差し出す。

「七様。手を」

七は優衣の手を掴む。

「七様。ケガは?」

「ないです…」

七は立ち上がると自分の弱さにうつむき続けた。

優衣は七へ言う。

「七様。これからどうする?」

「私は、き、鍛えます」

優衣は、ならと笑う。

「なら。トレーニングルームに行ったらどうかな?」

「トレーニングルームですか?」

七は向かう。

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