第48話 屋内

屋内プール

七は、ロッカーの並ぶ場所で着替えていく。

星も隣で着替えていく。

「プールはいいが、私の趣味に付き合ってもらうぞ」

七は、水着を着るのだが、水着は桃色のワンピース系の水着。

「こ、これは………かわいい水着ですね…」

また、キラキラと透け感の散りばめられた星がとても綺麗。

七は、水着を見ていると星の趣味がとてもかわいいが好きが分かる。

「かわいいが好きなんですね。星先輩の好きが分かってうれしいです」

「私の趣味はかわいらしいは絶対だな」

何て言いつつ、本人は黒の水着を着用していく。

かわいいというか、刺激が。

七は顔を赤くしてしまう。

豊かな胸元を見ないようにする。

それよりも筋肉を見ることにする。

確かに体にしっかりと筋肉がついている。

「筋肉ありますね」

「鍛えているからな」

「鍛えている………なるほど」

星は七の肩を抱くと連れて行く。

「行くぞ。七」

ビクッとする七は少し顔が赤い。

近い。

柔らかい。

七はうむうとする。

「七どうした?」

「な、何でも…………いえ!お、……おむ……なんでもないです!」

星とプールへと入る。

誰もいないから貸し切りのようとも思える。

七は水の中へ入ると水を手の平で掬う。

水が流れていく。

「ぬるいですね」

「ここは、ぬるいぞ。冷たいと風邪引くからな」

「なるほど」

七は、肩まで浸かるとお風呂のようにヌボーとする。

「温泉入ってみたいです」

星は七の元へ行く。

「温泉?あるぞ。ここ」

「あるんですか…………いいですね……おんせん」

星はニッとする。

「さて、七は泳げるのか?」

「お、泳げ……ないです」

「なら、練習だ」

星は七の両手を握り、七はビート板を胸元に挟むと少しずつ前進していく。

「おー。泳げてるな」

「ビート板あるからです!」

「ビート板は必要だぞ?命綱にもなるし」

「た、たしかにそで、す」

七は必死。

泣きそうな目をしていて潤んでいる。

七は、それからようやく水の中で落ち着ける。休憩だ。

七は。

「プールで女の子と幸せルートではないんですか?いえ、幸せですが!」

幸せのようだ。

それはそうだ。

女の子といれば幸せな七が不幸なわけがない。

わけがない。

「もー………きれいです」

星はスタイルの良い姿で歩いていく。

後ろ姿もまた、美しい。

輝いている。

「七。始めるぞ」

「もうですか!?あの、水かけっことか」

「ふざけるな。私は練習。特訓にしか付き合わない」

「そんな!」

七は、練習をし続けた。

泳げないというのは危険だ。泳げるということは大事なことだ。

それから、ようやく特訓終わる。

水が滴り、桃色のワンピースは濡れている。

黒の水着は水を弾いているようであまり濡れていないが、肌は水滴が流れている。

七はジーッと星を見つめる。

「星先輩。素敵な体ですね」

星はあまりにも直球で驚く。

「そうか。確かに自分でも美しいと思っている」

「自信があるっていいですね…私はいつだって………自信がないので」

「自信がないのか?」

「自信があれば、ここにいません」

「自信は私にはあるぞ。私は強いからな」

「強いんですか?」

「ああ。戦っているからな」

「あのモンスターは何ですか?」

「あれはここを壊したいんだ。壊して壊したい」

「壊したい……」

星はハッとする。

「来たか」

星は行こうとする。

七は手を掴む。

「わ、私も行きます」

「お前は邪魔だ」

星は行ってしまう。

七もついていく。

ついて行きたい。

星の戦い方が見たい。

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