第284話 文化祭 After...

【由利凛side】


 喫茶店をしたライバルのクラスが多くて、妾たちのハロウィン喫茶店の売上は今一だったのじゃ。

 やはり、前・大江戸ファミリーである、大江戸 仁おじさんや勇気、楓、瞳、アリス、真理愛おばさま達の売上記録には遠く及ばなかったのじゃ。


 妾たちは、お昼のお弁当を広げながら反省会をしているのじゃ。

 蝶子ちゃんが持ってきた包みを解いて、


「嵐くん。

 はい、お弁当 ❤️」


「……蝶子。お前、料理が出来たのか !

 手作りか ? 初めてじゃないか、こんなことをするなんて !」


「ふふっ。 ほら、嵐くん、この前 佐江内さんから料理を食べさせてもらって嬉しそうだったから、蝶子 頑張ったんだよ !

 嵐くんの口に合うようなら、嬉しいな ❤️」


「ありがとう、蝶子 」


 その様子を見ていた、明日菜ちゃんと英里香ちゃんがショックを受けている。


「そんな…………あのアフロディーテが !

 信じられない 」


「蝶子とアフロディーテが別人格と言っていたけど……

 わたし達が、アフロディーテに負けているようで悔しいわね !」


 蝶子ちゃんの味方をするつもりは無いのじゃが、いつもいつも料理から逃げている二人には同情出来ないのじゃ。


 大江戸のおばさま達が居ない時は、だいたい妾や恵利凛、嵐お兄ちゃんが料理を作っているけど、明日菜ちゃんも英里香ちゃんも手伝いからも逃げているから、いつまで経っても料理が苦手なままなのじゃ !



「おっ、旨いぞ 蝶子 」


「本当 !? 良かった~ 」


 明日菜ちゃんも英里香も悔しそうにしているのじゃ。

 だったらパラスちゃんみたいに手伝いをすれば良いのに !


 だから気がつかないのじゃ !

 蝶子ちゃんのお弁当の中身。

 全部、冷凍食品だと云うことに……

 最近の冷凍食品は質が、かなり良く成っていて、一口大のハンバーグやトンカツ。

 オムライスやスパゲティまで有って総菜系が、かなり充実しているのじゃ。


 蝶子ちゃんのお弁当。

 ハンバーグの隣に並んでいるホウレン草の和え物もオムレツも、その他に並んでいる 一見 豪華そうなお弁当は、調理時間たった5分なんじゃ袋から出して並べただけ


 ちなみに、妾たちが食べているお弁当も冷凍食品なんじゃ。

 気がついていないのは大江戸姉妹だけ。

 嵐お兄ちゃんも蝶子ちゃんのお弁当の中身の正体に気がついているけど、騙されたフリをしているのじゃ。


 真実は一つじゃが余計な一言で、本当に蝶子ちゃんが手料理ダークマターを作ってきたら、食べるのを断われないのを理解しているのじゃろう。


「由利凛や恵利凛だけでなく、蝶子アフロディーテまで料理を作れるのに、わたし達だけ料理を作れ無いなんて、女神のプライドはズタズタよ !

 明日菜、今日帰ったら料理の特訓よ !」


「ええ、わかったわ 英里香。

 絶対に負けられない戦 !

 勝つのは、わたし達、大江戸姉妹よ ! 」


 ウムウム、良い傾向じゃから、妾は涙を飲んで黙っているのじゃ !


 たまには、明日菜ちゃんや英里香ちゃんが料理当番をしても良いのだから、妾は悪く無いのじゃ !



 これで良いのじゃ !


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