第182話 卒業旅行 ③
【嵐side】
ふと、気がついたら プライベートジェットの中で座って居た。
「やぁ~と、現実に戻ったの、嵐 !
卒業旅行で外国にバカンスなんて豪勢だね、嵐の家は。
ボクの水着を楽しみにしていてよね、嵐 ! 」
ルンルン気分で浮かれているベルに、
「いやいや、ベルは二次元……今は三次元のARだから水着なんて必要無いだろう ! 」
なんか、えらい進化しているなぁ~AI。
「ブゥー、ブゥー !
嵐って、本当にデリカシーが無いよね !
ボクだって、乙女なんだからお洒落くらいするんだよ !
世界中のファッション雑誌から選び放題なんだから凄いのを選んで着てあげるからね! 」
ベルが平らな胸を張って言うが、誰得なんだよ !
話題を
それに付き合う恵利凛は、同じ双子でも由利凛と違い女神らしく見えるな。
頑張れよ、助けないけどな。
日本の最高神の不評は避けたいんだよ !
こけるのアホは、アザゼルと一緒に座り、何か悪い顔をしているから、ろくでもない相談でもしているんだろうな。
悪魔とスケベ神の転生体……うん、出来るだけ関わるのは止めておこう。
巧はジャンヌと親しげに話しているし、蝶子も珍しく星華や秋穂たちと話している。
妹たちの方に行くと説教が始まりそうだし……
ふと、凪やマーズの方を見ると二人ともスマホでゲームをしているのか、楽しそうにしているな。
まじるなら、あの二人だな。
♟♞♝♜♛♚
「よう ! 何のゲームをプレイしているんだ ?
良ければ教えてくれよ 」
そう、VRMMOのゲームは禁止されたが、携帯用ゲームは禁止されていないんだったことに気がついた俺、
「あっ、嵐くん !体調は、もう良いの ?
事情は、ベルちゃんから聞いたけど、残念だったね。
良かったら、ペンネームを教えてくれると嬉しいな !
『小説家になっちゃる』には参加していないの ? 」
「否、『オメガポリス』と『ヨムカク』だけだぞ 」
「それでも凄いよ !
僕らは、読む専門だからね 」
コイツら、良い奴らだよな。
兄妹でさえ、俺の扱い方が ぞんざいだと云うのに本気で心配してくれるなんてな。
二人にだけ、俺のペンネーム『A・RA・SHI』を教えてやった。
二人が遊んでいるゲームを見せて貰うと……
ザ・ワールド・神大戦
凪やマーズの話だと、各 神話ごとに神々が闘い信者を増やして成り上がるゲームだと云う。
…………業が深いな、日本人。
凪がギリシャ神話、マーズが日本神話だったから 凪にギリシャ神話の神々を見せて貰うと……
軍神アレスが、何故か巨乳の銀髪ネコ目の姉ちゃんだった……
な・ん・だ・これはー !
何故、俺が女体化しているんだよぉー!
叫ばなかった俺は偉いと思う。
ヘパイストスを見せて貰うと、此方も女体化した女神に成っていた。
やはり巨乳の癒し系タレ目の姉ちゃんだ。
凪が俺の様子を見て、親切に教えてくれた。
「このゲームの神々は全員が女神なんだよ。
だから、マーズの日本神話の神々も……」
マーズのスマホを見せて貰うと、女性化した月読さま やスサノオノミコトが女性に成っていた。
日本人、凄いな !
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