第179話 嵐のごとく Ⅷ ②


 YAC20237 「いいわけ」



 今、俺は愛する恋人、ほたるを救う為に敵の隠れ家である廃マンションに向かっている。


 クォォォォーーーン


 俺の愛車フェアリーテイルWXダブルエックスが俺の気持ちに応えるようにエンジン音が鳴り響いていた。



 キッキキキキッッ !


 愛車を止めて廃マンションを見上げた。


「ここが、奴らのアジトがあるビルだな。

 ベル、付近に一般人は居ないだろうな ! 」


 俺の問いかけに相棒である妖精のベルが、


「大丈夫だよ、嵐 !

 一般人は居ないから、思いきり暴れても大丈夫だよ ! 」


「そうか、地上の愛と平和は俺が守る !

 この俺、大江戸嵐がな !

 悪魔どもの思い道理にはさせないぞ !」



 20✕✕年 平和な地上を支配しようと冥界の悪魔達が人間世界に進行してきた。


 神々は人間を救おうとしたが、先に悪魔達が地上へ行けないように結界を張った為に助けに行くことが出来なく成っていた。




「おい アサゼル、約束どうりに来たんだから、蛍を解放しろ ! 」


 俺が言い放つと アサゼルが、


「ああ、約束は守るぜ !

 悪魔は約束契約は守るからな、人間や神と違ってな ! 」


 拘束を解かれた蛍が俺の元に駆け寄ってきた。


「嵐、嵐、信じていたよ !

 何時だってキミは、私のヒーローだからね !」


「よし、いい娘だベイベー。

 ベル ! 蛍を安全な俺の愛車に案内してくれ 」


了解ラジャー ! ボクも信じているからね、嵐 ! 」


 二人が行ったのを見送った後に再びアザゼルとにらみ会った。


「出血大サービスだな、アザゼル !

 だが、地上の愛と平和の為にお前には絶対に勝つ ! 」


「ハッ ! 人間にしては、なかなかやるが所詮は只の人間だ !

 悪魔に敵うとでも思っているのか、おめでたい奴め ! 」


 すっかり油断している悪魔アザゼルに、


「何時だって、悪魔や大魔王を倒すのは人間なんだぜ !

 それに俺は、只の人間では無いんだ。


 ある時は普通の学生、ある時は さすらいのギャンブラー しかし、その実態は……


 ゴッド・フラッシュ !


 オリュンポス十二神が一柱。

 天界一のイケメン神。


 軍神アレス とは俺のことだ !


 どうだ、恐れいったか ! 」


「アレス様とは知らずに無礼を働きお許しください。

 いやぁ~、アレス様も人が悪い……始めから教えて頂いていれば、こんな馬鹿げたことなどしなかったですぜ ! 」


「見苦しいぞ、悪魔 ! なんて恥ずかしいぞ ! 」


 俺の正体が、軍神アレス と知り悪魔アザゼル達は、直ぐに降参した。


 軍神アレスが居る限り、地上に悪は栄えないのだ !







 ♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔



 フゥー、『 YAC 2023 ~ヨムカク・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2023~』の7回目お題『いいわけ』を、やっと書き終えて投稿した俺は熱いコーヒーを飲みながら、明日からの卒業旅行のことを考えていた。


 そうしたら、またしてもスマホの中からベルが出てきた。


「ヤッホー、嵐 !

 立体ホログラフィーでボクが出てきたから驚いているでしょう !

 それよりも、また締め切りが過ぎているよ ! 」


「嘘だー ! ちゃんと確認したぞ !

 3月21日までなんだから大丈夫なハズだ !」


 そうしたらベルが呆れたように、


「ちゃんと読んだ ? 締め切りは3月17日。

 嵐の言う21日は、レギュラー賞集計期間の最終日だね。

 それに、#タグ__・__#もいれ忘れているよ 」


「タグ ? なんだ、それは 」


「やっぱり、説明を読んでいないでしょう、嵐は。

 今回ならタグを入れる所に『YAC20237』と入れないとエントリー出来ないんだよ ! 」


 ガーーン、 YOUユー~は~SHOCKショック !!


 俺の頭脳を~刺激する !!


「それに、ひとつにまとめずに、毎回 別に投稿しないとダメなんだよ。

 後、タグは半角英数で入力しないと…………ダメだ、聞いてないや。

 よっぽどショックだったみたいだね。

 やっぱり嵐にはボクが付いていないと駄目みたいだね ❤️ 」



⎯⎯ どころではなかった嵐でした ⎯⎯

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