第62話トリック・オア・トリート ?
【蝶子side】
蛍先生には、ちょっとだけキツイことを言ったけど……
ヤバいよ~、ヤバいよ~、想定外だよぉ~ !
クリスが教育実習生として学園に来るなんて、神様は意地悪だよぉ~ !
蝶子は、とっても良い娘で可愛いのに……きっと意地悪な女神が可愛い蝶子に
ここは、積極的に行動しないと嵐くんを、あの
もちろん、巧くんもロッキーくんも渡す気は無いけど、本命の嵐くんを狙うなんて、許せないわ~。
世界の良い男の子は全部、私のモノ………なんて、思ってもいないんだから、蝶子の本命と
それに嵐くんも、アンナ年増に興味を持つなんて悪趣味だよね。
待っててね、蝶子が真っ当な道に戻してあげるからね !
──そして、深夜…… ───
こんばんは。
みんなのアイドル、夜野蝶子で~す !
今晩は、ハロウィーン 🎃
場所は、大江戸さん家の前に来てま~す !
トリック・オア・トリート
『お菓子をくれないとイタズラしちゃうぞ !』作戦を実行しま~す !
ママのコレクションのお笑い番組をヒントにしたの。
下品な芸人?が、アイドルの寝起きを突撃取材の名の元に寝室に忍び込んで、私物を漁ったり、食べ掛けの食べ物を食べたり、飲みかけのジュースを飲んで『間接キッス』だと騒いだりする下品な番組なんだけど………芸人がアイドルの布団に潜り込んだシーンを見て閃いたの !
既成事実 !
パンがなければお菓子を食べれば良いじゃない !
つまり、進展が無いなら嘘でも既成事実を
嵐くんの布団に潜り込んで朝を迎えれば蝶子の勝ち !
大江戸家は、お金持ちだし由利子先生も曲がった事が嫌いだから嵐くんに責任を取らせるハズ !
蝶子、
そうして、大江戸さん家の庭に入ったら…………
沢山の目が私を見ていた……
「ヒッ !」
思わず叫びそうに成って、あわてて自分の口を塞いだけど…
雲が動いたせいか、月の光がさして沢山の目の正体が判った。
「な~んだぁ、猫ちゃんかぁ~。
大江戸さん家が猫ちゃんの集会所に成っているのかなぁ~ 」
……恐る恐る庭に入ったのに、猫ちゃん達は鳴かずに私の事を見詰め続けている。
昼に会う猫ちゃん達と違い不気味に思っていたら、知っている猫ちゃん達が私の前に来て道を塞いだ。
総菜屋さんの処のメンチカツ、ご近所の家猫のウッシッシ、
判野良猫のオハギ、居酒屋さんの処のチクワブ、そしてボス猫のにゃんゴローだ。
昼間は比較的に愛想が良い猫ちゃん達だ、その猫ちゃん達が鳴かずに私を通さないようにしている。
「ごめんねぇ~、ちょっと通してねぇ~猫ちゃん達 !
今度、『
メンチカツが私を通してくれるみたいで道を開けようとしたら、オハギとウッシッシから猫パンチをされた後、元の場所に戻ってしまった。
チェッ ! もう少しだったのになぁ~ 。
目標である大江戸家の玄関には、二匹の猫たちが居る。
月の光を浴びているせいか、神秘的に見えた。
私が猫ちゃんに見惚れていたら、長い尻尾が二つに別れた後に、さらに別れて 九本に成った……
「ヒッ、化け物 ! 」
♟♞♝♜♛♚♘♗♖♕♔
【????side】
どのくらい気絶していたのだろうか……
「クッ クッ クッ クッ、いやぁ~ 面白い『お笑い劇』だったぞ、アフロディーテ !
いつまで、気絶したフリを しているつもりだ ! 」
一人の男の子が面白いモノを見た、と云う感じで
「こんな夜中に出歩くなんて不良よ、ロッキーくん……
何時、記憶の封印が取れたの ? 」
邪悪に笑う顔は、邪神そのものだわ。
「今日は『ハロウィーン』と云うことで、
そう、やっぱりディーンおじいさんがオーディーンだったのね。
「それで、どうするの ?
このまま家出して、世界で暴れまわるつもり ? 」
ロキの奴は、呆れたように肩を
『……記憶の復活は、一時的なモノだし『神力』は使えないからな !
せいぜい人間の人生と云う奴を楽しむとするよ。
天界と違い人間世界は退屈しのぎには、ピッタリだからな !
それは、
「フンだっ ! 確かに人間世界は面白いけど、それ以上に女神ヘラ だけでなく日本神話の八百万の神々を敵に回す程、愚かではないつもりよ。
まして、ココには日本神話の最高神が居るのに、
そう、決して『逆鱗』に触れてはイケナイ神が住まう家。
「今日は、ここまでね。
美容に悪いから、もう帰って寝ることにするわ。
ロキは楽しそうに笑いながら、
「フッ、せっかくだから
明日から私達は、また人間の深層に沈んで表に出ることは出来ないだろう。
でも
たかだか100年程の時間など、神に取っては一瞬みたいなモノ !
せいぜい楽しませて貰うわ !
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます